【大手100社 ベア検討は1社】
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http://www3.nhk.or.jp/news/k10015473891000.html# NHKはことしの春闘について、主な大手企業100社に対するアンケート調査を
行いました。新興国需要の増加などによって業績が上向く企業が増えていますが、
アンケートでは、賃金のベースアップを検討している企業はわずか1社にとどまり、
定期昇給の凍結を含めて賃金の引き上げを検討していないという企業が13社に
上りました。
NHKは先月下旬から今月初めにかけて、主な大手企業100社を対象に、ことしの
春闘に関するアンケート調査を実施しました。その結果、焦点となっている定期昇給に
ついて「維持する」と答えた企業が25社あった一方で、「ベースアップを検討して
いる」と答えた企業は1社にとどまりました。これに対し、「賃金の引き上げを検討
していない」と答えた企業は13社に上り、このうち3社が「定期昇給の凍結」という
厳しい対応を検討しています。さらに「賃金の引き下げを検討している」企業も1社あり
ました。引き上げを検討しない理由は、「景気の先行きが不透明なため」などとし、
景気の先行き懸念によって多くの企業が厳しい姿勢で交渉に臨むことをうかがわせて
います。
また、雇用については、この1年間で「非正規社員を減らした」と答えた企業が
24社あったほか、「正社員と非正規社員の両方を減らした」企業も9社ありました。
連合が改善を求めている非正規社員の処遇についても、84社が「変化していない」と
答え、処遇の改善が進んでいない実態が浮き彫りになっています。一方、「今後、
景気が回復した場合、雇用をどうするか」という問いに対し、「増やす」と答えた
企業が12社だったのに対し、「雇用を増やさずに、今の水準を維持する」が42社、
「減らす」が3社で、景気が回復しても雇用を増やさないと考えている企業が半数近くに
上っています。
【経団連副会長 賃金より雇用】◎
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015474081000.html# 日本経団連で労使問題を担当する大橋洋治副会長は5日、記者会見し、ことしの春闘は
「賃金より雇用を重視せざるをえない」と述べ、厳しい交渉になるという見通しを示し
ました。
この中で大橋副会長は、今の景気情勢について、「世界の経済状態は決して好転している
とは言い切れず、日本も楽観できる状況にはない」としたうえで、「ことしの労使交渉は、
賃金より雇用を重視するものにしないとしかたがない。賃金もなかなか上乗せするような
状況にない」と述べ、多くの企業が厳しい姿勢で春闘に臨まざるをえないという見通しを
示しました。また労働組合側がデフレを止めるためにも賃金を引き上げるべきだとする
見解を示しているのに対して、大橋副会長は「企業が今、弱っているところに賃金を
上げれば企業の成長が止まる。そうすれば賃金が払えなくなり、デフレは解消しない」
と述べ、組合の主張は受け入れられないという考えを示しました。一方、定期昇給の
凍結について、大橋副会長は「自社の支払い能力を勘案しながらも、労使ともに過去に
決めたルールを守ろうとすると思う。実際に定期昇給を延期したり、凍結する企業は
それほど多くないのではないか」と述べ、定期昇給を見送る企業が続出することはない
という見方を示しました。