財務省が27日発表した2009年の貿易統計速報(通関ベース)によると、中国向け
輸出が10兆2391億円となって戦後初めて米国を上回り、中国が日本の最大の輸出国に
躍り出た。金融危機後の急激な落ち込みから回復が遅れた米国に対し、順調な経済成長を
続ける中国の旺盛な購買力が鮮明になった。
対米中輸出の逆転は、リーマン・ショック後の世界経済の劇的な構造変化を象徴。09年
12月単月の輸出総額は中国をけん引役に前年同月比12・1%増の5兆4128億円となり
、危機が深刻化した08年9月以来1年3カ月ぶりに前年同月の水準を上回った。
09年通年の輸出は、米国向けが対前年比38・5%減の8兆7446億円と過去最大の
減少幅を記録した。中国向けは20・9%減と11年ぶりの減少となったが、水準で米国を
引き離した。
輸出総額は前年比33・1%減の54兆1827億円と過去最大の減少幅。原油価格が
大幅に低下した影響もあり、貿易黒字は2兆8078億円となって2年ぶりに前年水準を
上回った。
09年12月単月では、自動車の輸出が金融危機後初めて増加に転じたほか、半導体などの
電子部品も大きく伸びて輸出総額を押し上げた。
ソース:47NEWS
http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012701000199.html