米子ソウル便を運航するアシアナ航空を傘下とする、韓国の一大企業グループ
「錦湖(クムホ)アシアナグループ」が経営難に陥っている。国内路線の当面の
運航に影響はないとみられるが、今後は自主再建に向けたグループの事業再編が
本格化する見通しで、鳥取県など県内関係者は慎重に動向を見守っている。
現地報道などによると、グループは昨年末、系列の中核企業2社の業績悪化を理由に、
再建計画に相当する構造調整策を打ち出す方針を発表し、取引先の金融機関を中心に
経営再建に乗り出すことになった。
ただ、アシアナ航空は法的整理の対象から外れ、経営の自主性は保たれる見通し。
現時点で鳥取県に米子便の運航計画変更などの打診はなく、県国際観光振興室の
細羽正室長は「アシアナ側から詳細な説明を受けたわけではないが、米子便への
直接的な影響はないと聞いている」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。
アシアナ航空山陰支店(米子市)は「法的整理の対象はあくまで錦湖産業と
錦湖タイヤの2社。影響を懸念する声もあるが、現在のところ何もない」と強調。
同社の日本地域本部も国内に発着する22路線の運航計画に変更はないとし、
3月末からの夏季スケジュール編成も「今回の問題とは切り離して考えている」とする。
米子ソウル便を使った韓国ツアーが人気を得ている「エイチ・アイ・エス」米子営業所
(同市)では「経営問題に関する問い合わせはまったくない。その件を知る人自体、
あまりいないのでは」とし、客足への影響はないとみる。
ただ、米子ソウル便の搭乗率は昨年12月まで3カ月連続で6割を割り込むなど苦戦が
続く。再建の動向次第では、アシアナ側の採算性重視の姿勢が強まることも予想され、
細羽室長は「経営問題に限らず、利用率向上に向けて地道な努力が求められている
状況は変わらない」としている。
●米子ソウル便の搭乗手続きのため列をつくる乗客たち。
グループ企業が経営危機で県関係者も今後の動向を見守る
http://www.nnn.co.jp/news/100114/20100114037.html ◎アシアナ航空(OZ)
http://jp.flyasiana.com/Global/JP/ja/ ※補足/アシアナ航空が就航している日本の空港は成田、羽田、関空、中部国際、
福岡、旭川、仙台、福島、富山、広島、米子、高松、松山、宮崎、
熊本、沖縄、静岡、茨城(3月から)の18空港です。
※参考記事/「韓国の錦湖アシアナグループ、中核2社の債務を再編へ」2009年12月30日
http://newsweekjapan.jp/headlines/business/2009/12/17039.php