【コラム】グローバルな不均衡は危機の元凶か−デビット・バッカス、トーマス・クーリー(WSJ)[10/01/14]

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1依頼@台風0号φ ★:2010/01/14(木) 01:32:55 ID:???
 1920年代、資本はマサチューセッツ州からノースカロライナ州へと流れ始め、この動きは弟二次世界大戦後、
繊維産業の中心が東海岸から南部に移るまで続いた。1950年代初め、繊維産業はメキシコ、インド、マレーシア
へと移り、資本は再び動き始めた。資本は、最も生産的に利用される場所へと長い距離を移動し、概して
良いこととされてきた。

 国内外を問わず資本が移動する場合、現地で調達可能な資本と、必要な資本(投資需要とも呼ばれる)との
間で不均衡が発生する。歴史を振り返ればほとんどの場合、大きな資本は、豊かな国々から貧しい国々へと
流れてきた。英国は、米国の運河や、オーストラリア、インドの鉄道に資金を供与してきた。

 だがそれはもはや当てはまらない。近年最も資本輸入が顕著なのは米国だ。オーストラリア、スペイン、
英国も資本輸入が盛んだ。逆にドイツ、日本、スイスは、資本輸出が目立つ。この10年間、石油輸出国は
資本輸出国でもある。

 このような状況を総称して「グローバルな不均衡」という。政策当局の標準的な考え方に基づくと、それらは
合理的な投資の再分配というより、景気の安定を脅かすリスク要因ということになる。一般的には、そのような
不均衡は「持続不能」であり、長期化すればするほど、その後の「調整」は大幅で痛みを伴うものになる。
このような脅威も、25年も経てば変わると思うかもしれない。ところが、人々はこれらの資本移動が金融危機の
根本的な原因のひとつだと論じるようになった。

 2008年11月、当時の米財務長官、ヘンリー・ポールソン氏は声明文のなかで、「もしわれわれが、重要とは
いえ、特定の規制問題にだけ対処し、最近の異常事態につながったグローバルな不均衡への対応を怠れば、
世界の市場と経済活力の基礎を抜本的に改革する機会を失うことになるだろう」と述べた。しかし、傍観を
よしとしない向きは、不均衡について”何か”をしなければならない、と考えるだろうが、その”何か”ははっきり
しないのが実態だ。

▽執筆者
デビット・バッカス : ニューヨーク大学スターンビジネススクールの財政・経済学教授
トーマス・クーリー : ニューヨーク大学スターンエコノミクススクールの前学部長であり経済学教授
▽ソース:WSJ (2010/01/14)
http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_21478
記事は>>2以降に続きます。
2依頼@台風0号φ ★:2010/01/14(木) 01:33:20 ID:???
>>1の続きです。

 グローバルな不均衡を金融危機の元凶とみる考えを簡単に説明すると次のようになる。資本輸出国の貯蓄は、
安定したリターンを求め、大量に米国に流れ込んだ。それら貯蓄のほとんどは、株式や繊維工場ではなく、
米国債や、ファニーメイ、フレディマックのような機関債の購入にまわった。そうした資金の流れ(と金融緩和策)
によって金利は低く維持され、米国の個人や金融機関は借り入れが容易になった。安易な借り入れでバブル化
した住宅価格はやがて崩壊に向かった。要するに、中国からの流入資金がすべての元凶、ということだ。

 こうした論理の下で、グローバルな不均衡の修正を求める声が高まっている。米国の場合、実際の対策
としては国内貯蓄の拡大と連邦政府の赤字削減ということになるだろう。中国の場合、人民元の切り上げと
いうことになるかもしれない。どれも合理的な選択肢のようにみえるが、資本の流入超を示す(米国の)
経常赤字の削減にはほとんど効果がない。1990年代の米国では、財政収支が黒字でも、経常赤字は拡大を
続けた。つまり、より根深い問題が存在するということだ。それは何か。なぜ世界各地から資金が米国に
集まってくるのか。理由として以下のようなことが考えられる。

・米ドルは事実上、世界の基軸通貨である。その他の通貨が近い将来、米ドルにとって代わるとの憶測は
 信頼に足るものではない。中国は、ドルペッグ制に代わり、人民元を主要通貨のバスケットと連動させる
 可能性があるが、今のところ現実的な選択肢ではない。

・米国債市場は、世界で最も安全性と流動性の高い市場である。これは、世界が金融危機に直面した際、
 米国がその震源地であったにもかかわらず、世界中の投資家が米国債に殺到し、利回りをゼロ近辺まで
 押し下げたことからも明らかである。米国市場に代わり得るとすればユーロ圏が考えられるが、細分化された
 ユーロ国債市場は流動性に欠き、(最近の債務危機で改めて認識されたように)リスクも多い。

記事は>>3以降に続きます。
3依頼@台風0号φ ★:2010/01/14(木) 01:33:30 ID:???
>>2の続きです。

 今となってははるか昔のことになってしまったが、10年前、財政黒字が続くなかで、米国債の供給不足が
懸念されたことがある。だが、ブッシュ政権がこの懸念を打ち消し、オバマ政権にその路線を変更する兆候は
見られない。

・米国は制度面の整備が進んでいる。金融規制に問題があることは明らかだが、米資本市場は世界で最も
 投資環境が整っている。中国、ノルウェイ、サウジアラビアの投資家はこのことをよく理解している。

・米国は人口動態上、資本を集めやすい。これは見過ごされてしまうことが多いが、欧州連合(EU)、日本、
 中国は米国より速いペースで高齢化が進むとみられる。そうした状況では、退職時に備えようとする若年層や
 壮年層の貯蓄が対外投資(資本流出)に向かいやすい。一方、米国の高齢化は、移民の増加によって
 進行が緩やかである。

 人口動態の見通しは、今後20年前後にわたってEU、アジア、その他諸国の貯蓄が米国に流入する可能性を
示唆し、米経常赤字の拡大が続くことを意味する。こうした状況は、今後20年程度継続し、大きな変更はないと
予想される。

・エネルギー価格の高騰は、長くは続かない。石油輸出国は、数年前の価格高騰が継続しないことを
 知ってい る。そのため、増収分を蓄え、海外の安全な市場に投資しようとしている。米国はその投資先と
 なっている。1970年代と2000年代初めにもこれと全く同じ動きが見られた。

 国際的な資本移動の規模は大きく膨らんでいる。資本移動は、この10年で、世界経済にとって、これまでより
重要な役割を果たすようになったのかもしれない。しかし、資本移動は本当に金融危機の主因であり、
われわれがコントロールしなければならないものなのか。

 それらが金融危機を引き起こしたとする主張は受け入れがたい。真の原因はもっと身近なところに存在する。
これまで目にしてきた資本移動についても、経済の健全性にとって脅威とされるグローバルな不均衡についても、
危機の元凶とはいえない、より説得力のある説明があるはずだ。

−以上です−
4名刺は切らしておりまして:2010/01/14(木) 02:16:12 ID:GdkQjPqr
>>1

長すぎて何を言ってるのか素人にはチンプンカンプンです。金の流れが悪いと言うことか?
資本家・投資家にはアメリカは良くても、その他の生活環境は最悪だろう?
5名刺は切らしておりまして:2010/01/14(木) 02:20:02 ID:GdkQjPqr
>>1

世界の多くの人は(アメリカ人も含む)一発千金の博打屋的な生き方よりも家族との

安定生活を望むだろう。グローバルなんて経済賭博屋のご都合世界に過ぎないよ。
6名刺は切らしておりまして:2010/01/14(木) 03:33:45 ID:Jl25bZ6h
>>4
輸出する一方とかされる一方って長期的には平準化されるはずだったけど
これからはアメリカにお金が流れ込み続ける展開が続くみたい
これってジャパンバッシングみたいな国家紛争の元にならなくなくなくなくね?
俺はどっちでもいいけど
って記事

しかしこの手の記事を見るたびにアメリカが一番老化ペースが遅いって
事実は胸に響くわ
アメリカ今よりしょぼくれても友達になっておくには悪くない国
7名刺は切らしておりまして:2010/01/14(木) 04:08:01 ID:Kofe/lwx
>>4
アメリカが一人勝ちしてるのが必ずしも悪いと言うことじゃないって言ってるんだろ。

そもそも論で言うなら、このアメリカの一人勝ちの理由は二つ
資源国であり、且、土地が広く人口を増やす余地がある。
金の代わりがドルである。

つまりアメリカのルールに従っている限り、世界がどんなに不公平でも
何故か基軸通貨国のアメリカだけは勝てるけど、
それが出来るのはうちが資源国だからだよ。なんか質問ある?ってことさ。
中国に対するけん制の意味もあるんだろうなあ。
8名刺は切らしておりまして
アメリカは自国資源を蓄えるために海外から買ってる国だからね
最終的に資源を持っていたほうが勝ち
防衛上でも閉鎖的な経済体制になろうが死ににくい

何よりも先進国のくせに農業強いからなぁ
食料輸出国&肥料どっさり

日本はというと農業肥料、レアメタル、レアアースなど中国に頼ってるところが
軒並み価格引き上げにあい、技術譲渡と引き換えに安定供給なんて条件まで出てきてる。
そりゃどぶさらいや海外のゴミあさりやら携帯電話回収に躍起になるよ
問題はそういうところを大々的に掲げられないことだな。
中国のご機嫌を損ねてはいけない。だから日本人が回収運動に得意になって批判したりしてるw