格安航空チケットなどを取り扱う旅行業者のR−A−J(東京都葛飾区)が
インドのデリーに支店を開設し、日本への旅行客獲得に取り組む。
海外から日本に観光客を呼び寄せる「インバウンド事業」を強化するのが狙い。言
葉や食べ物の問題をサポートする形で特色を打ち出し、訪日客数を増やしたい考えだ。
デリーに開設するのはR−A−Jのカトリ・ラジ社長の出身地であることに加え、
経済成長に伴ってインドからの海外旅行者が増加することを見込んでいることが大きい。
日本政府観光局(JNTO)のデータによると、平成20(2008)年の
訪日外国人旅行者数は、835万人。このうちインドは6万7323人にとどまり、
内訳は観光客2万2441人、商用客2万6782人、その他1万8100人と
なっている。
訪日外国人客数の上位は韓国、台湾、中国、米国などだが、約11億人の人口を
抱えるインドでは中間所得者層が急拡大。現在、インドからのインバウンドの
市場規模は約100億円程度とされるが、中間層の増加に伴って市場が拡大すると
みられている。ラジ社長も「インドはロシアやマレーシアなどと並び、有望な新興
市場だ」と将来性に期待を示している。
ただ、インド人が海外旅行に二の足を踏む一因として「宗教からくる食事の問題と
言葉の問題を心配する人が多い」(ラジ社長)ため、R−A−Jは日本での細やかな
飲食店情報や言葉のサポートの充実で、新規の顧客獲得を図る。
すでに昨年10月から日本文化を学ぶことをテーマにした旅行を発売するなど、
特色ある商品開発に取り組んでいる。
ラジ社長は昭和63年に来日し、平成3年から7年までエイチ・アイ・エスで勤務。
営業、仕入れ、接客といったノウハウを学び、支店長に就任するなど頭角を現した。
この経験を生かして15年にR−A−Jを設立し、格安航空券を法人・個人に提供する
ビジネスを展開するなど、この数年で急成長を遂げている。
R−A−Jには外国経験の豊富な社員が少なくないため、ラジ社長は「インドの
インバウンド事業が軌道に乗った後は欧米などからのインバウンド事業も手がけたい」
と話している。
◎R-A-J
http://www.r-a-j.com/ ◎ソース
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100110/biz1001101639005-n1.htm