12月17日、三菱自動車が中国で出資している湖南長豊汽車の董事会が開かれ、5月に
決定した広州汽車の出資に伴う董事会メンバーの改選と「広汽長豊」への社名変更が
承認された。組織再編による三菱の動きが注目される中、17日の董事会に三菱の代表2名
がいずれも欠席したことを24日「中国青年報」が伝えている。
記事では、「董事会に参加すべき11名のうち9名が参加し、三菱の今井道朗執行役員と、
水本明彦アジア・アセアン本部北アジア第一部長は姿を現さなかった」とし、「董事会は
具体的な原因を把握していない」という広汽長豊の秘書のコメントを紹介している。
そして、出席しなかった原因について、三菱が現在力を入れているPSA・プジョーシト
ロエンとの提携協議を優先させている事を挙げている。
現在、広汽長豊の株式は広州汽車が29%を保持して筆頭株主となっている。次いで
長豊汽車が21.98%で第2位、三菱が14.59%で第3位である。先日、三菱の出資比率が
16%に引き上げられるという報道が中国国内で流れたが、三菱側はこの報道を否定、同社
広報担当は取材に対して「PSA・プジョーシトロエンとの協議を行っており、広汽長豊
の問題には構っていられない」と回答したという。
現在の出資比率に照らして、独立董事枠を除く新しい董事会メンバーの配分は広汽3、
長豊2、三菱2となっている。この「三者鼎立」の状態については広汽、長豊ともに不満を
持っており、三菱に「更なる出資か、撤退か」を求めているという。また、「今後三菱の
持ち株の買収を含め、さらなる出資比率の上昇を目指し、発言権拡大を狙う」という
広汽関係者のコメントを紹介している。
さらに記事では、不満を持つ両社に対して三菱は現状維持を望んでいるとの見方を示し
た。「三菱が現在中国に持っている合弁企業はいずれも業績が低迷し、ブランド力は
低下している」との業界関係者のコメントがある一方で、今年1月〜10月のパジェロの
販売台数は前年同期比で倍増以上の伸びを見せており、来年もこの勢いは継続しそうだと
いう長豊の販売事業部マネージャーのコメントも紹介し、「実際のところ、三菱はそう
やすやすと広汽長豊から手を引くことはないだろう。現状維持が三菱にとっては一番いい
のだ」とまとめている。
ソース:サーチナ
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1226&f=business_1226_017.shtml