サイクリングを通じて観光地への誘客や県民の健康増進を図る県の事業「自転車王国
とくしま」に、「王女」として活動する女性がいる。県体育協会職員の石井佑佳梨さん
(28)。軽い冗談から生まれた呼び名に戸惑いながら「私も初心者。一緒に楽しみ
ましょう」と参加を呼びかける。
11月29日午前。「王国」のイベント「王女と一緒に走ろう!」の参加者約30人は、
鳴門市の大鳴門橋を目指し、海岸沿いの県道を自転車で走った。王女こと石井さんは
自転車の列を前に後ろにこまめに移動し、コースから外れる人がないよう気を配った。
橋のたもとの千畳敷に着くと、参加者の体を案じて飲み物を配った。忙しく動き回りつつ、
記念撮影を求められれば笑顔にピースサインで応えた。
「まさか、本当に王女になるなんて」。始まりはスタッフとの冗談だった。
県内の観光地を12のコースで巡る「自転車王国」の企画を10月から始めるにあたり、
県の県民スポーツ課などと打ち合わせをしていたときだった。「王国というくらいだから
王様とか王女様とかいるよね」「あなたなんて呼ばれたい?」「王女かな」。呼び名が
決まった。
他県からも参加者を募ろうと、「王女」として近畿圏の報道機関などを回って企画を
宣伝。「自転車王国」のホームページでは、他のスタッフと交代でブログを書き、
自転車ツーリングのお薦めコースなどを紹介している。
石井さんは自転車競技をしていたわけでも、趣味がツーリングだったわけでもない。
実は県内初のフェンシング教室を11月に開校した「女性剣士」。6月に協会に入る
までシンガポールで1年半、プロのコーチをしていた。2006年にマレーシアの
大会で優勝したこともある。「王女というより参加者みなさんのボディーガードかな」
と笑う。
今後、12月29日の「王国」イベントの餅つきや、来年1月11日に吉野川の中州
「善入寺島」を走る催しに参加する。王女は「自転車で徳島の自然の美しさを満喫しま
しょう」と呼びかけている。
●参加者のサポート役を務める、イベントの象徴「王女」の石井佑佳梨さん
http://mytown.asahi.com/tokushima/k_img_render.php?k_id=37000000912210003&o_id=4612&type=kiji/jpeg ◎自転車王国とくしま
http://www.tokuspo.net/bicycle/index.html ◎ソース
http://mytown.asahi.com/tokushima/news.php?k_id=37000000912210003