CO2を140トン削減、重油使用2割減
東京の食肉加工会社「ミートコンパニオン」が、十日町市高山に設ける冷凍食品工場に、製造過程で出る
動物性油の廃棄物「フロス」を燃料とする新ボイラーシステムを本格導入した。同市の機器販売会社「グリーン
エナジー」が開発したもので、これまでフロスは水分含有量が多く、焼却などの処理が不可能とされてきた。
燃料として再利用することで重油の使用を抑え、大幅な二酸化炭素(CO2)削減、経費節約が図れるという。
市が、地球環境に優しい新エネルギー活用を目指す「バイオマスタウン構想」に基づいて導入をバックアップ
した。ミートコンパニオンが昨年、原油価格の高騰を受け、市市民生活課に対応策を相談。グリーンエナジーを
紹介されたという。
この「バイオマスボイラーシステム」導入に際しては、農水省から、工場廃棄物を活用する循環型社会推進の
ための「バイオマス利活用交付金」を受けた。総事業費は5600万円。10月26日から稼働している。
ミートコンパニオンではこれまでフロスの処理を専門業者に委託し、この費用が1立方メートル当たり3万円、
年850万円。また、商品の煮込みや殺菌などに使う温水を加熱するための重油代に、年約1800万円かかっていた。
新ボイラーシステムの導入で、重油使用量が少なくとも年2割削減でき、これにより二酸化炭素(CO2)
排出量を、スギ1万本分以上にあたる年約140トン、経費も燃料費と産業廃棄物処理費を合わせ、年約960
万円削減できるという。
さらに、廃棄物処理業者が回収するまでタンクに貯蔵してきたフロスの悪臭問題も、改善。排水の水質も
向上しているという。
新ボイラーシステムでもCO2は出るが、これは新たな排出分とはならない。燃料であるフロスの元は牛で、
この牛が食べた植物が、もともと大気中から吸収していたCO2に由来するためだ。
ミートコンパニオンは「食品加工業者にとって一番やっかいなフロスを燃料にできるのはありがたい」と
している。また、市では「稼働から1か月だが、成果が出ている。同じような取り組みが広がれば、循環型
社会の実現に近付く」と期待している。
ソース:YOMIURI ONLINE [09/12/09]
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20091208-OYT8T01415.htm 画像
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20091208-380365-1-L.jpg