新興市場に上場する中部地域企業の今3月期上期業績が、約8割で減収、
7割で経常減益または赤字となる中、売上高・各利益ともに過去最高となった、
タイヨーエレック。
3月期決算の新興市場の地域企業の中で、増収率、経常増益率ともに最大の伸び率となり、
まさに快進撃だ。同社の佐藤英理子社長に、好調決算の要因と下期の見通しなどを聞いた。
―遊技機市場の足元をどう見る。
「ホールの大店舗化による、小規模店淘汰(とうた)の流れが少し落ち着き、
設置台数は、むしろ伸びている。不況下でも、ストレス解消は必要。
最も身近で、かつ健全な娯楽として、メーカーとホールが努力した結果、
お客さんも増えているのではないか」
―努力とは。
「メーカーは、射幸性を抑制し、ゲーム性の高い機種や、バリエーション豊富な機種を
開発している。ホールも多様な機種を求めており、また(パチンコ玉)1円でも楽しめるよう、
工夫している」
―上期業績好調の理由は。
「パチンコ機では、『CR機動新撰組萌えよ剣』の第2弾を発売開始し、3万5千台を出荷した。
07年に市場投入した萌えよ剣第1弾は、当社の主力機種に育っている。ヒット作は、
販売面でも有利で、利益貢献度も高い」
「さらに(07年に提携した)サミー社との提携効果も大きい。今期から、パチンコ機で
主に液晶など電子部材の共通化を推進し、パチスロ機では、筐体をサミー社から調達するなど、
連携を強化している」
―販売面は。
「中・四国地域で初の支店をこの上期に広島に開設した。サミー社から即戦力となる
営業社員人を受け入れたことで、広島をはじめ全国で、販売面のシナジー効果が出ている」
―下期の課題は。
「上期に予定していたパチスロ機の発売が、適合遅れで下期にずれ込んだ。
今期はパチンコ6機種、パチスロ4機種の販売を予定しているが、継続的に市場投入するためには、
適合率を向上させなければならない。適合業務の人員を増強し、内部統制を強化するなど、
さらに高度な仕組みづくりが必要だ」
―中長期目標は。
「5大メーカーの一角となるために、年間販売台数20万台、売上高500億円、経常利益率15%を
達成しなければならない。そのためには、バリエーション豊富な機種を毎期、計画的に投入する必要がある。
今期は過去最高となる研究開発費億円を見込んでいるが、遊技機は企画がすべて。開発には力を入れる」
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