【ベルリン=赤川省吾】欧州連合(EU)統計局は1日、ユーロ圏16カ国の10月の
失業率が9.8%になったと発表した。9月に比べて横ばいとなり、1999年の通貨統合後の
最悪水準が続いている。ただスペインなどが悪化する一方で景気回復局面に入ったドイツ
は改善に転じた。2008年に入ってから欧州では急速に雇用情勢が悪化したが、その勢いが
鈍ってきた。
EUに加盟する27カ国ベースでは前の月よりも0.1ポイント悪化して9.3%となった。
国別にみると不動産バブルが崩壊したスペインで引き続き失業者が増えている。同国
政府は新規雇用の創出を図っているが、まだ効果は出ていない。
ラトビアでは失業率が20%を超えた。財政赤字の解消に向けた緊縮財政など構造改革に
踏み切ったことが雇用悪化や成長率低下という痛みを生んでいる。その一方でドイツや
オーストリアでは失業率の上昇に歯止めがかかり、欧州の雇用情勢はまだら模様となっている。
ソース:日経ネット
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091201AT2M0103L01122009.html