日本の流行発信基地である東京・原宿で、スポーツ用品メーカーが激戦を繰り広げている。米ナイキが
国内最大の旗艦店「ナイキフラッグシップストア原宿」を11月中旬に出店したほか、国内外の大手直営店
5店がひしめく。1日からアシックスが新サービスを開始するなど、競争は激しさを増すばかりだ。
「(原宿で)提供する商品とサービスが世界で最も目の肥えた消費者を満足させられれば、企業として
さらに成長できる」。ナイキのマーク・パーカーCEO(最高経営責任者)は11月12日の記者会見で
こう強調し、原宿での人気が“バロメーター”になるとの認識を示した。
ロンドンに次いで世界2店目となるサッカー専用フロアを設置したほか、ランニング姿をビデオに録画し
走る際の足の状況を測定できるサービスを提供。シューズの色や素材をパソコン上で自分好みに変更できる
「ナイキiD」サービスの国内最大の専用スタジオも設けるなど、先端的な試みを導入したのが特長だ。
その思惑は奏功し、平日はもちろん「週末の集客は予想以上」(ナイキジャパン)という。
原宿には国内メーカーのアシックスとミズノが各1店、海外勢では独アディダスが2店、独プーマが1店の
直営店を構える。ナイキの攻勢に対し、「アシックスストア原宿」はランナーをビデオ解析して“走り方”を
測定するサービス「アシックス フットID」を1日から提供する予定だ。
各社が原宿への出店に力を注ぐ背景には、ファッションに敏感な若者層の開拓を契機に、国内需要を喚起
したい狙いがある。オリジナルシューズの人気は中高年層などにも波及するためで、世界市場での「陣取り
合戦」を占う試金石ともなりそうだ。
ソース:産経新聞 [09/11/30]
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/091130/biz0911302025017-n1.htm