【投資】金価格うなぎ上り 金融危機後、安全資産にマネー流入[09/11/25]

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1やるっきゃ騎士φ ★
金の国際価格の上昇が止まらない。23日のニューヨーク市場で、金相場は史上最高値を更新。
欧米の個人客、それに新興国の中央銀行という新たな買い手が、相場を引っ張る。

チューリヒから列車を乗り継いで3時間あまり。金の精製工場が集まる小さな町は、スイス南部の
山あいにあった。国境を接するイタリアの宝飾産業とともに発展した地域で、世界の精製量の
3分の1をまかなうという。

その一つ、アルゴ・ヘラウス社の工場の内部は熱気がみなぎっていた。運びこまれた材料を仕分けし、
溶かし、延べ棒や金貨の型にはめる。数年前までは年間200トン未満だった生産量は、いまや
300トンを超えるペースだ。最高経営責任者のオブリ氏は言う。「金は魅力的だとは思われて
いなかった。変わったのは金融危機からだ」。
06年には1トロイオンス=600ドル前後だったニューヨーク先物市場の価格は上昇を続け、
23日には一時、1170ドルを超えて史上最高値を更新した。

近くで別の工場を経営するMKSファイナンスのシャカシ社長によると、今回の金特需には二つの
波があった。金融危機の直後は、銀行破綻(はたん)への恐怖が人々を安全資産の金に走らせた。
今年8月終わりからの第2波では、ドルの下落をきっかけにドルをはじめとする主要通貨の将来の
価値に疑問符がついた。

買い手も入れ替わった。MKSの欧米への売り上げは06年は全体の2%しかなかったが、
09年は50%を上回る。「欧州と米国はいまや、我々にとって新興市場だ」とシャカシ氏は言う。

その象徴が、10月から金の延べ棒の取り扱いを始めたロンドンの高級百貨店ハロッズだ。
地下のショーウインドーには現物が展示され、31.9ポンド(約4700円)=1グラムから
29万ポンド(約4300万円)を超える12.5キロまでの値札が並ぶ。

新たな買い手は他にもいる。インドの中央銀行は今月3日、国際通貨基金(IMF)から
200トンの金を買い、外貨準備の一部にすると発表した。IMFが融資資金確保のために
売却したのを引き受けたものだが、米国が財政赤字と超金融緩和を伴いながら刷り続けるドルへの
懸念が背景にありそうだ。中国も外貨準備に金を増やしていると見られる。ニューヨーク市場で
金相場を担当する英HSBCのアナリスト、スティール氏は「新興国の中央銀行の金相場への
投資はほぼ一巡しつつある」としながらも、「ドルの上昇は予想しにくい。金の値上がりは
当面続くだろう」と話す。

供給の問題を指摘する声もある。古い宝飾品の買い取りは活発化しているが、金鉱からの発掘は
すぐには増えない。調査会社GFMSの鉱山アナリスト、タンカード氏は「長い目でみて十分な
投資がなされているとは思えない。例えば南アフリカでは採掘地点が深くなり、利益を出すのが
難しくなっている」と話す。

ソースは
http://www.asahi.com/business/update/1124/TKY200911240388.html
http://www.asahi.com/business/update/1124/TKY200911240388_01.html
金の装飾品のリサイクルも活発化している=スイス南部メンドリジオ
http://www.asahicom.jp/business/update/1124/images/TKY200911240390.jpg
金の延べ棒などの原料を仕分けする作業員
http://www.asahicom.jp/business/update/1124/images/TKY200911240391.jpg
金の延べ板を鋳造する作業員
http://www.asahicom.jp/business/update/1124/images/TKY200911240389.jpg