JPモルガン・チェースやパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の投資信託には、株式相場の
反騰局面が終わったとみるヘッジファンドの運用を見習いたいと考える個人投資家のマネーが殺到している。
調査会社モーニングスターによると、株価下落に備えた運用を目指す弱気相場型とロング・ショート型と
呼ばれる投信への資金流入は今年初め以降10月までに過去最高の100億ドル(約8887億円)と、これまで
最高だった2006年の2倍強に達した。資産運用会社によるロング・ショート型投信の設定は19本と、
1年としては最多となっている。
これらのファンドの人気上昇は、S&P500種株価指数が 2007年10月から09年3月の安値までの57%の
下げの約半分を回復したにもかかわらず、小口投資家がまだ懐疑的であることを浮き彫りにするものだ。
米国株の購入に限定した従来型の投信は今年1−10月に46億ドルの解約があったが、債券投信には
2800億ドル流入した。
モーニングスターのアナリスト、ナディア・パパジャニス氏はインタビューで「企業は市場の不確実性から
利益を得ようとしている」と述べ、「ヘッジファンド投資にまつわる秘法もある」と指摘した。
モーニングスターによると、この種のファンドのベストセラーはエコノミストのジョン・ハスマン氏が運用する
「ハスマン・ストラテジック・グロース」で、9月までに17億ドルが流入した。JPモルガンのハイブリッジ・キャピタル・
マネジメントが運用する「ハイブリッジ・スタティスティカル・マーケット・ニュートラル・ファンド」(運用資産34億ドル)
は15億ドル、PIMCOのビル・グロス氏の「ファンダメンタル・アドバンテージ・トータル・リターン・ファンド」は
7億8600万ドルをそれぞれ集めた。
▽ソース:Bloomberg (2009/11/24)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aFdoYmFlY8TA