【コラム】ネット接続権…電子的社会へ参加義務−東京大教授・坂村 健氏[09/11/22]

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1依頼@台風0号φ ★
 最近、筆者はフィンランドと共同研究を進めるなど深く交流している。フィンランドの運輸通信相が私の
研究所に視察に来られたこともある。そのフィンランド運輸通信省がつい最近、高速で大容量のデータ伝送の
ためのブロードバンドへの接続を国民の「権利」として法律で保障するという宣言を発表した。

 ここで重要なのは、単なる政策目標でなくこれを「国民の権利」としたことだ。基本的人権の中でも、生命権や
自由権や財産権などの「自然権」に比べ、国家により欠乏や抑圧から免れる権利−−生存権、教育を受ける
権利、労働基本権、勤労権などのいわゆる「社会権」は比較的新しい概念の人権だ。20世紀に確立した
ことから「20世紀的人権」とも呼ばれる。

 この社会権が生まれた背景に産業革命というエネルギー分野のイノベーションがあったことは確かだろう。
突き詰めれば「新しい技術」が「新しい人権」を生む。その伝でいけば、インターネットを中心とする情報通信
分野のイノベーションと、それに伴う社会構造の変化という時代の風が生んだのがこのフィンランドの
「ネット接続権」。

 産業革命以前には「貧乏は個人の自己責任」という考え方だった。しかし、発達した工業社会で必要とされる
のは多数の教育を受けた労働者である。さらにはイノベーションを起こせる有能な人材の供給源としても、
消費者としても厚い中間層が必要とされる。つまり国民の生活を国家が保障することが結果的に工業社会を
支え国力につながる。人道的側面ではなく、そういう功利的な考えでも社会権は説明できる。

 だからこそ、社会権の多くの権利は同時にその義務と対になっている。フィンランドの「ネット接続権」に
ついても、権利であると同時にその義務の側面が重要なはずだ。フィンランドではすでに相当に高度な
電子政府が実質的に稼働している。そしてその背景には、日本と同様の急激な社会の高齢化があり、
非効率な社会プロセスに人手を割いていられる余裕はないとの危機感があるという。

 同様な危機感を持たなければいけない日本が「住民基本台帳番号」で足踏みし、電子政府もいつまでたっても
掛け声倒れに終わっている間に、フィンランドでは「国民番号」はおろか、「国民登録センター」への各種住民
情報の集中化も実現した。新生児は病院で生後2時間以内に登録され、国民番号を与えられ、これを基に
子ども手当が支給されるという具合だ。


▽ソース:毎日.jp (2009/11/22)
http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/news/20091122ddm002070083000c.html
記事は>>2以降に続きます。
2依頼@台風0号φ ★:2009/11/24(火) 22:58:18 ID:???
>>1の続きです。

 さらに、望ましくない利用を防ぐためのオンブズマン制度をきちんと作った上で、公共機関や企業へ情報の
有料提供まで行っている。だから、国勢調査もデータベースをさらうだけでよく、1980年を最後に行っていない。

 当然、携帯電話でも利用可能な電子カードを利用した暗号化通信(ちなみにこの技術は日本のもの)により
納税など各種公共手続きの電子化も進められている。

 ただ、引っ越しなどのメール申請は簡単なのでいいとしても、納税についての申告は面倒なので係員に対面で
やってもらいたがる人が多く、電子申請は依然数%程度で日本同様伸び悩んでいるという。

 使い勝手は日本とは比べものにならないぐらいよくなっているので、結局やり方の善しあしにかかわらず、
不利益の可能性がある行為については、慣れたやり方でも可とすればそちらに固執するという人間心理が
最も大きなバリアーなのだろう。

 財政を含めた国の未来が危ぶまれる状況の中で、人々が感情的に過去にとらわれていることが問題ならば、
ネットワーク時代に適応した社会を実現するには、「公共サービスの基本は電子ネットワーク」という原則を
どこかで確立しなければならない。

 そのときに「ネット接続権」の義務的側面がはっきりしてくる。民主政治にかかわり社会に貢献できる国民
となるために、教育を受けることは権利であると同時に親には子に受けさせる義務が生じる。同様に、少ない
資源と厳しい自然環境、それに加えての急激な高齢化という状況に耐えられる国になるためには、社会の
効率化を進め、国民すべてが電子的に社会に参加することは権利であると同時に義務と考えるべきだ。

 さらに言えば、義務教育のすべてが無料でないように、応分の負担も求められる。どうしてもその負担が
できない人には「権利」の側面から今度は政府にさまざまな施策を求めることになる。そういう戦略目標を
きちんと見据えた上での福祉であれば、成人向けのネット教育の補助から、低所得家庭にネット対応可能な
デジタルテレビチューナーを無償で配ることまで、考えられることはいくらでもある。

 今後も生命科学などのさまざまなイノベーションにより新たな人権が生まれ、いずれ「21世紀的人権」が
確立することになるだろう。やむにやまれずその先頭を走っているフィンランド。しかし、日本にその努力を
冷ややかに見ながら身の振り方を考える余裕があるかどうか−−真剣に考えるときが来ているのではないだろうか。

−以上です−
3名刺は切らしておりまして:2009/11/24(火) 23:01:03 ID:QXV2L395
以下小学生に接続したいスレとなります
4名刺は切らしておりまして:2009/11/24(火) 23:03:37 ID:EtjskbRe
ネットを免許制にしたら?車の運転みたいに
5名刺は切らしておりまして:2009/11/24(火) 23:22:12 ID:w8R0jYG7
>低所得家庭にネット対応可能なデジタルテレビチューナーを無償で配ることまで、考えられることはいくらでもある。

この一文で全て台無し。
6名刺は切らしておりまして:2009/11/24(火) 23:22:31 ID:cvpa123/
>>4
毎日数十万件の事故を起こしている車と同じになるんですねわかります
7名刺は切らしておりまして:2009/11/24(火) 23:26:31 ID:EKnIYxnh
言いたいことがよくわからん。ネット接続に国家権力が介入したいのか?
義務となれば登録制ということか、テレビをとにかく配りたいというのはわかる。
言論の自由と国家権力というインターネットの根深い問題があるが。インターネットの児童ポルノ問題はアメリカでも混乱が起きている。



8名刺は切らしておりまして:2009/11/24(火) 23:37:49 ID:8Kia02nA
ネットの免許制はあるべきだよね。
9名刺は切らしておりまして:2009/11/25(水) 01:38:14 ID:YzB5cUFH
権利なんて言い出すな。
見えないのに、形にしてしまうことから、本当の自由は奪われる。
国家が補償する権利はない。
10名刺は切らしておりまして:2009/11/25(水) 03:06:48 ID:x1EVv6zE
人口が違いすぎると思うんだが
11名刺は切らしておりまして:2009/11/25(水) 09:46:04 ID:46T68tZk
>>4
その代わりアウトバーンにすると。
12名刺は切らしておりまして:2009/11/25(水) 10:00:48 ID:NL41Vo+u
刑務所のような刑事施設は保安上の理由から検閲が例外的にゆるされていて手紙すらだすのが自由ではないし、アーミッシュみたいに宗教上の理由でインターネットをつかいたくない人だっているはず。

社会のインターネット対応が当然になってくると、これらのようなインターネットをつかえない・つかいたくない人々への配慮をどうするのかという問題がでてくる。
13名刺は切らしておりまして:2009/11/25(水) 10:07:25 ID:tY3IWxZT
坂村先生は大先生なのに腰が低いよなあ。
14名刺は切らしておりまして:2009/11/25(水) 10:56:46 ID:CANd/qUD
日本は今までどおり国是の現状維持、前例踏襲でこれからも行きます
15名刺は切らしておりまして:2009/11/25(水) 18:37:26 ID:46T68tZk
>>5
いや。デジタル移行は国家の強制なんだから(厳密にはアメリカの強制だが)、
低所得者には国家が担保すべき事案。
16名刺は切らしておりまして
>>13
ほんと、そうだよなあ。

東南アジアを本当に平等にみて大切にするし。