海外の航空会社が相次いで豪華なマイレージ(旅客機利用ポイントの還元)サービスを
打ち出している。固定客の拡大が狙いだが、こうしたサービスを受けるには一定期間に
膨大な搭乗実績が求められるため効果は限られそうだ。
従来、特定の航空会社を継続的に利用してマイルをためることの見返りといえば、
座席のグレードアップ、無料航空券、ホテルの無料宿泊券、雑誌の無料購読などだった。
しかしここへ来て、さらに多くの固定客をひきつけようと、新機軸を打ち出す航空会社が
現れた。
フィンランド最大の航空会社フィンエアーは、ヘルシンキの病院で受けられる豊胸
手術、植毛手術、美容整形手術をマイレージサービスのラインアップに加えた。約
130万人の登録会員を持つ同社のマイレージサービスの責任者、ミッコ・トゥオマイ
ネン氏は、新サービスについて「病院に提携を打診して実現した。生活のあらゆる側面に
かかわるサービスを提供しようというのが狙いだ」と説明する。
同氏によると、豊胸手術を受けるのに必要な318万マイルをためるには、ヘルシンキ
−ニューヨーク間をビジネスクラスで120往復する必要があるという。マイルの有効
期限は5年間だ。
フィンエアーが美容整形外科サービスをマイレージ制度に取り入れたのは1カ月前。
今後も健康志向のサービスを拡大していく方針で、現在さまざまな医療機関と交渉中だと
いう。サービスが始まって間もないため、実際に手術を受けた利用客はまだいないが、
手術を担当することになる医師の一人は電子メールで「国内最先端の医療技術を国際的に
アピールできるチャンス。現在経営難に陥っているフィンエアーを助けることにつながる
のもうれしい」と語った。
このほかに各国の航空会社が実施しているユニークなマイレージサービスとしては、
英国人実業家、リチャード・ブランソン氏が率いる英ヴァージン・アトランティックの
弾道飛行による宇宙船旅行(200万マイル)や、アラブ首長国連邦(UAE)の
エティハド航空が提供する映画「007」の世界を体験できるスペシャル・パッケージ
ツアー(約619万マイル)などが話題を集めている。
(ブルームバーグ Kati Pohjanpalo)
ソース:FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200911230043a.nwc