米国の時事週刊誌『タイム』やニュース専門チャンネル「CNN」、インターネットプロバイダー「AOL」などを
擁するタイム・ワーナー社が最近、これらの主力事業での売上額や利益が減少し、経営が不安定になっている。
視聴率や購読率の急激な下落で、「世界一」の座から滑り落ち、低迷期を迎えており、今や大規模な人員削減を
断行せざるを得ない状況に陥っている。
タイム・ワーナーは、売上額が400億ドル(約3兆5800億円)を超える、世界最大のメディア・エンターテインメント
企業だ。ハリウッドの映画制作会社「ワーナー・ブラザーズ」から、『タイム』『フォーチュン』などの雑誌、CNNや
HBO(ケーブルテレビ局)などのテレビ局、AOLなどのインターネット事業にいたるまで、メディアやエンター
テインメントのあらゆる分野で事業を展開してきた。
ライバル企業といえば、昨年の売上額が300億ドル(約2兆6900億円)台のウォルト・ディズニー・カンパニー、
ニューズ・コーポレーションくらいだ。だが、今年第3四半期(7−9月)のタイム・ワーナーの純利益は、昨年より
38%減の6億6100万ドル(約592億600万円)にとどまった一方、ウォルト・ディズニー・カンパニーは18%増の
8億9500万ドル(約801億6500万円)、ニューズ・コーポレーションは10.9%増の5億 7100万ドル(約511億4450万円)
を記録し、明暗を分けた。
タイム・ワーナーは1989年、タイム社とワーナー・コミュニケーションズが合併して発足した。米国を代表する
時事週刊誌『タイム』は過去20年間、発行部数が500万部から340万部まで減り、特にここ2−3年は急激な
売り上げの減少に苦しんでいた。同誌の編集部は今年末までに、米国で勤務する社員の6%に当たる600人を
削減する方針だ。昨年末にも600人を削減しており、これに続く「リストラ」というわけだ。
一方、24時間放送を行っているCNNは最近、ニュース専門チャンネル部門の視聴率が最下位に陥った。
ニューヨーク・タイムズ紙は、「25−54 歳の視聴者を対象に10月のゴールデン・タイム(夜7−11時)の視聴率を
調べた結果、CNNがFOXニュース、MSNBC、HLNに続く4位にとどまった」と報じた。CNNの今年第3四半期の
ゴールデンタイムの平均視聴者数は、昨年より約30%減の94万6000人だった。これは1位のFOXニュース
(平均視聴者数225万人)の半分にも満たない数値だ。
インターネットプロバイダー「AOL」は、来月中旬ごろに分社化する方針だ。2000年代初め、世界一のインター
ネット企業として名声を誇っていたAOLは、タイム・ワーナーに1640億ドル(約14兆6900億円)で買収された。
だが、AOLはこの9年間、ポータルサイトの競争でグーグル、ヤフーに押され、米国のポータルサイト全体に
占めるシェアは4%にすぎない。外国メディアは「AOLは今月初め、100人の社員を削減した。分社化の前後に、
さらなる人員削減が行われる見通しだ」と報じた。
▽ソース:朝鮮日報 (2009/11/16)
http://www.chosunonline.com/news/20091116000049