インテックとTISの共同持ち株会社ITホールディングス(HD)は10日、
ITサービスのソラン(東京、千年正樹社長)を約205億円で買収すると発表した。
近く株式公開買い付け(TOB)を実施し、年内に子会社化する予定。経営統合後の
22年3月期連結売上高の予想は3720億円と、ITサービス業界2位に浮上する
見通しで、規模拡大によって業界内の存在感をさらに高めたい考えだ。
10日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で会見したITHDの中尾哲雄
会長はソラン買収の理由について、「一定の規模がないと大手の顧客から受注できない。
スケールメリットを生かして事業拡大を図りたい」などと語った。
ソランは金融業や製造業の中堅から大企業まで幅広い顧客に対し、ソフト開発を
中核にITサービスを提供している。ITHDは事業規模の拡大を図る中、ソランと
同じ開発案件を手掛けたことをきっかけに、約1年前から同社との統合を検討。両社の
顧客層が異なること、また両社とも地域の計算センターを発祥とし企業風土が似ている
ことから、統合による顧客拡大などのメリットが大きいと判断した。
子会社化はITHDとしては初めてとなるTOBによって行い、ソラン側も了承して
いる。11月13日〜12月15日にソランに対する株式の公開買い付けを行い、
全発行済株式の取得を目指す。取得できない場合は株式交換を実施する予定。買い付け
価格は、ソランの11月9日の終値455円に対し、73・63%のプレミアを
加えた790円。12月15日までに全発行済株式の51%を取得する見通しのため、
子会社化は年内を見込む。買い付け額は205億9500万円。
統合により、ITHDの直接子会社は12社となる。ソランの売上高はTIS、
インテックに次いでグループ内で3番目となる。ソランの商号、社長の変更は行わない
が、ITHDとの役員交流を進める。
ソース:北日本新聞
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20091111/27594.html