◆音と食を楽しみ農業後押し/菜食ミュージシャン サンプラザさんら
野菜とロック音楽を掛けて「ベジロック」――。
耳慣れぬ造語を掲げ、ミュージシャンたちが農業支援のイベントに乗り出した。
初回は都心のライブハウス。特産品のPRに来た自治体職員が戸惑う中、音楽や
トークで「野菜への愛」を呼びかけた。
「せたがや耕せー、せたがや耕せー、いつかこのまちを田んぼにするぜー」
スポットライトを浴びながら熱唱したのは、爆風スランプ(活動休止中)のサンプラザ
中野くん。「環境」をテーマに80年代に発表した曲だ。「野菜の歌を歌います」と
代表曲「大きな玉ねぎの下で」も歌い、客席を盛り上げた。
渋谷のライブハウス「Shibuya O―EAST」で先月21日、開かれた
イベント「VEGE ROCK(ベジロック)」だ。
舞台は、野菜好きアーティストのライブやトークが中心。サンプラザさん以外にも、
畑仕事が好きなダイアモンド☆ユカイさんらは、歌詞に「農作業」や「エコ」を入れた
曲を披露した。ミュージシャンのカヒミ・カリィさんや野菜スイーツを創作した柿沢
安耶さんらは、菜食の「効用」を語りかけた。
仕掛けたのは、芸能プロダクションから音楽・映画の制作も手掛けるアミューズ(本社
・渋谷区)。農林水産省が進める食糧自給率向上の運動にも協力しており、「エンター
テインメントの切り口から、野菜の魅力を伝え、農業を応援する新しいイベントを発信
したい」と企画した。
舞台以外でも「野菜」を楽しんでもらおうと、客席後方に飲食コーナーを設けた。
ベジタリアンバーガーや野菜スイーツが、若い女性たちの関心をひいた。ライブ目当て
に来た女性は「音だけじゃなく食も楽しめた。少し野菜にも興味が出てきたかな」。
一角には、長野県信濃町のコーナーも。この夏、町の有志が考案した野菜を素材にした
ロールケーキを自ら紹介するブースだ。「なんか落ち着きませんが、若い人の反応は
よかった。貴重な場です」。初めて来たライブ会場に戸惑いながらも、PRに手応えを
感じていた。
「ゆくゆくはフェスにしたい」。体調を崩した30代から玄米菜食を実践している
サンプラザさんは、ベジロックに期待を寄せる。「ロックというと不健康なイメージも
あるが、マドンナのようなベジタリアンも多い。ポール・マッカートニーは地球環境を
考え菜食を呼びかけている。ロックが時代を映す鏡なら、今こそ意味がある」
アミューズは、今回のイベントを「キックオフ」としており、年明けに「第1弾」の
イベントを検討している。
●ステージに立つサンプラザ中野くん
http://mytown.asahi.com/tokyo/k_img_render.php?k_id=13000000911060001&o_id=4192&type=kiji/jpeg ●客席後方では、野菜スイーツなども販売されていた
http://mytown.asahi.com/tokyo/k_img_render.php?k_id=13000000911060001&o_id=4193&type=kiji/jpeg ◎アミューズ [証券コード/4301]
http://www.amuse.co.jp/ ◎ソース
http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000911060001