英政府は、昨秋の金融危機を受けて国有化した金融大手のロイヤル・バンク・オブ・
スコットランド(RBS)、ロイズ・バンキング・グループ、住宅金融大手で中堅銀行の
ノーザン・ロックの3行を分割する方針を固めた。英メディアが1日、一斉に報じた。
リーマン・ショックから1年を経て、英金融界の再編が動き出した形で、異業種からの
新規参入で競争促進を図る。
欧州連合(EU)の独占禁止規制当局が10月末、英政府が申請していた
ノーザン・ロックの分割案を承認したことで、再編の動きが一気に浮上した。
ノーザン・ロックは08年2月に経営破綻(はたん)し、英政府に国有化された。
英政府は同行をリテール業務と住宅ローン業務を担当する「グッドバンク」と、
新規融資を実施せず、不良資産処理が中心の「バッドバンク」に分割、前者を入札に
かけて売却する。
ヴァージンアトランティック航空などを展開するヴァージン・グループや、
流通最大手のテスコなどが買収に名乗りを上げている。
また、英政府が株式の70%を保有するRBSは国内約300店舗、同43%保有する
ロイズは95年に買収した旧TSBを売却させる見通し。
ダーリング英財務相は、BBC放送に「納税者にとって適切な時期」に売却すると述べ、
市況の動向を見ながら3〜4年かけて売却する方針を示した。
EUは、政府の援助を受けた金融機関が不当に優遇され、競争を阻害する可能性が
あるとして加盟各国の銀行救済策を精査している。
多くの金融機関に資産売却、支店閉鎖、市場シェア縮小などを勧告する見通し。
この動きを背景に、オランダの金融グループINGは10月末、業務部門を銀行と
保険に分割し、保険部門を売却すると発表している。
ソースは
http://mainichi.jp/select/today/news/20091102k0000e020010000c.html