阪神高速道路は、信濃橋渡り線の用地調査に着手する。年内にも測量業者を対象に
簡易公募型競争入札を実施し、約1年かけて調査。用地買収に要する費用や地下
埋設物などを把握していく。順調なら2009年度中に事業許可の変更手続きを行い、
10年度に用地買収・工事をスタート。14年度の完成を目指す。
同計画は、阪神高速の大阪港線東行きと環状線北行きを接続するジャンクション
(JCT)を整備し、利便性向上や沿線の交通環境を改善。現在はJCTがないため、
大阪港線から環状線へは、環状線の南半周を迂回(うかい)するか、一般道路を
経由しての乗り継ぎとなっている。
計画区間は、大阪港線と神戸線が合流する新なにわ筋東側から阿波座出口付近までの
付加車線分(幅員2.75m)延長800mと、そこから環状線に接続する渡り線(幅員8m)
延長170m、さらに環状線に接続後の付加車線分(幅員3.25m)延長710mの合計延長1,680m。
併せて信濃橋入り口を改築し、延長260mに渡り幅員5.75mの入り口道路建設と
幅員3.25mの付加車線設置を行う。建設区間は大阪港線が大阪市西区西本町1〜3、
環状線が西本町1、靭本町1、京町堀1、江戸堀1。
計画ルート上に旧大阪銀行(現近畿大阪銀行)本店ビルが建っていたが、同ビルが
取り壊され、一帯が都市再生特別地区に追加指定された。現地では、敷地の一部を
信濃橋渡り線の建設スペースとして残しながら、オリックス西本町1丁目ビル
(地下3階地上29階建て延べ4万1,621u)の工事が進んでいる。
ことし1月に大阪府が都市計画決定、9月に大阪市議会から阪神高速道路で事業を
進めるための同意を得た。国に事業許可の変更手続きを済ませば用地買収を行い、
工事に着手できるが、新政権が発足したばかりということも踏まえ、申請を留保している状況。
信濃橋渡り線については、橋下徹大阪府知事や平松邦夫大阪市長、関西経済3団体で
組織する「夢洲・咲洲地区まちづくり推進協議会」が、南港の活性化に向け14年度
までに完成させると明示している。総事業費は1,800億〜2,000億円。
ソース:建通新聞社
http://www.kentsu.co.jp/osaka/news/p01214.html