近畿経済産業局が20日発表した近畿2府4県の2009年上期(1〜6月)の工場立地件数は、
前年同期比47.4%減の71件だった。和歌山を除く5府県で減少。企業誘致に急ブレーキが
かかった。上期ベースで減少したのは01年以降初めて。減少率も全国を0.1ポイント上回った。
昨秋のリーマン・ショック以降、急速な景気悪化で企業の設備投資に対する意欲が減退
したのが主な原因とみられる。
大阪府は15件減の7件、滋賀県も15件減の9件と、いずれも半分以下に落ち込んだ。
京都府も5件に半減した。
件数ベースで最も減ったのは兵庫県で、27件減の33件。ただ、件数自体は全都道府県で
1位だった。
兵庫県と大阪府ではシャープやパナソニックなど薄型テレビの関連工場が相次ぎ進出し、
「パネルベイ」と呼ばれた湾岸部への立地が一服した。兵庫県では湾岸部より内陸部への
立地が多かった。
立地件数の減少は景気悪化が大きな要因とみられるが、大阪、滋賀の場合は「交通が便利で、
多くの企業が進出を希望するような工業団地が少なくなった影響もある」(同局地域開発室)と
話す。これを裏付けるように工業団地以外の工場跡地への立地が16件に増え、08年上期比で
倍近くなった。
近畿経産局管内(福井を含む2府5県)で新たに立地した工場の敷地面積は90万7000uと
08年上期比で24.4%減ったが、工場の大型化の影響もあり、立地件数ほど落ち込まなかった。
業種別の立地件数は食料・飲料が13件で最も多く、生産用機械と化学工業が各9件、
汎用機械8件、鉄鋼業7件が続いて多かった。05〜08年は金属製品が最も多かったものの、
不況に強いといわれる食料・飲料が伸びた。
調査は面積1000u以上の用地を購入したか、借りた工場(研究所を含む)を対象に集計。
同局管内で08年上期に比べて唯一、工場立地件数が増えた福井県を含むと件数は80件になるが、
それでも08年上期比の減少率は01年以降で最大の42.4%だった。
▽News Source NIKKEI NET 2009年10月21日07時00分
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news002527.html http://www.nikkei.co.jp/kansai/img/img000930.gif http://www.nikkei.co.jp/kansai/img/img000931.gif ▽近畿経済産業局
http://www.kansai.meti.go.jp/ ▽Press Release
近畿地区工場立地動向調査
http://www.kansai.meti.go.jp/kojoritti.html