客室に備え付けの歯ブラシは連泊中は使っても捨てず、レストランでは“マイ箸(はし)”
を使えば料金を割り引く。お財布にも環境にも優しいこんな利用プランを導入する
ホテルが増えている。
≪箸を忘れない≫
ローストビーフやズワイガニ…。品川プリンスホテル(東京都港区)の「リュクス
ダイニングハプナ」は和・洋・中からスイーツまで、ランチは約60種、ディナーなら
約80種の料理が食べ放題で楽しめる。
昨年4月からは環境配慮から割り箸の使い捨てを減らそうと、「ECO(エコ)My
(マイ)箸でお得なブッフェ」の割引プランを開始。自分用の箸(マイ箸)を持参すれば、
3000円のランチ(大人)が2700円に、5500円のディナーは4900円になる。
ランチ利用客の約7%、ディナーでは約4%が “マイ箸”を持参するという。
担当の阿部忠大さんは「昼は若い女性グループやカップル、夜はOLグループに箸の
持参が目立つ」。友人2人とランチに訪れた茨城県龍ケ崎市の女性会社員(34)も
「持ち歩こうと思うのに箸を忘れる。割引はカバンに箸を入れるいいきっかけになった」
と話す。
同店は昨年末、割り箸から洗って使い回せる箸に変えた。だが、割引は「環境意識の
啓発に貢献できるなら」(阿部さん)と今後も続ける。
≪マイ歯ブラシも≫
「サンルートホテルチェーン」(豊島区)は今年5月、連泊利用客を対象に、客室に
備え付けのカミソリや歯ブラシのアメニティー用品と、タオルやベッドカバーなど
リネン用品を2日目以降も取り換えない場合、宿泊料金を割り引く「連泊エコプラン」を
始めた。全国76ホテルのうち49カ所で実施。2、3泊目の料金を各日100
〜2040円分割り引いたり、次回利用できる割引券やクオカードなどで還元する。
最近では、“マイ歯ブラシ”などを持参し、ホテルの歯ブラシやカミソリは利用しない
客も目立つという。
このプランを昨年11月に導入した「ホテルサンルート新橋」(港区)の利用者は
月平均約100人。三尾伸二郎総支配人は「地球環境への配慮が取り組みの趣旨。
それに賛同してくれたお客さまに、節約された人件費や洗濯代、水道・光熱費を還元
したい」と、割引に込めた思いを語った。
■女性の5割“マイシャンプー派”
ホテルに泊まるときに“マイシャンプー”などを持参する女性は5割−。ネット調査
会社「アイシェア」(横浜)は9月、ホテルのアメニティー用品の利用実態について、
20〜40代の男女計506人に聞いた。
それによると、アメニティー用品がある宿泊施設に泊まったことがある計455人の
うち、自分専用のシャンプーやボディーソープを「必ず持参」する人は14・1%、
「持参することが多い」人は26・8%。女性に限ると54・3%が持参派で、
「髪や肌に合わなかったら困る」「慣れたものを使いたい」などの声があった。
◎ソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091019-00000517-san-bus_all