ソースは
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200910190028a.nwc [1/2]
再生利用が困難で、なかなか進んでいなかった衣料品のリサイクルが定着しつつある。
普及の主導的役割を果たしているのが帝人の子会社、帝人ファイバー(大阪市中央区)だ。
衣類などに使われたポリエステル繊維を原料のテレフタル酸ジメチルにいったん戻した後、
再びポリエステルによみがえらせる技術を2000年に世界で初めて確立。
同時にアパレルメーカーなどから賛同企業を募り、回収から繊維の再生、再利用に至る
リサイクルシステム構築を目指す活動を強化。今年9月には、技術を高く評価した中国の
大手企業とも提携するなど、“エコの輪”は海外にも広まっている。
◆高純度で永久的に何度でも
帝人ファイバーの再生技術はまず、回収した衣類などを工場の破砕機で粉々にし、ポリエステルだけを
より分ける。その後、溶媒を使ってポリエステルを分子レベルまで分解して色素を落とし、
蒸留と濾過(ろか)を繰り返すことで新たなポリエステルを生み出す仕組み。
特筆すべきは、回収した衣類がポリエステルを80%以上含んでいれば、99.9%という極めて
純度の高いポリエステルを再生できる点だ。石油からつくるポリエステルと比べても品質面で劣らず、
しかも劣化しないため、半永久的に何度でも再生できる。
せっかく高度な技術を持っていても、使う場面がなければ宝の持ち腐れになってしまう。
そこで同社は、リサイクルシステム「エコサークル」を運営し、協力企業を国内外から募ることで、
技術の活用シーンを広げようとしている。
今月15日には、生活雑貨チェーン「無印良品」を運営する良品計画と組み、店頭で使い古した
スケジュール帳のカバーを回収し始めた。ボールペンをプレゼントする代わりに、回収したカバーから
ポリエステルを再生する試みだ。消費者へのライフスタイル提案を得意とする無印良品の影響力は
大きいだけに、帝人ファイバーでは回収に対する理解が深まると大いに期待する。
これに先立つ9月には、中国のスポーツウエア大手、李寧とも提携した。ポリエステル再生事業で
中国メーカーと組むのは初めて。帝人ファイバーのポリエステルを使ったウエアを李寧が製品化
するとともに、不要になったウエアを李寧が回収し、回収後は帝人ファイバーが引き取り、
ポリエステルに再生する予定だ。
CSR(企業の社会的責任)活動の一環ととして自社製品の環境対応を強化する企業が
増えていることもあって、エコサークルの賛同企業はすでに120社を超えた。
-続きます-