【食品】くめ納豆:資産13億円水増し、粉飾決算・99年のJCO臨界事故の影響隠す…返品が相次ぎ受注量は激減 [09/10/03]

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1明鏡止水φ ★

 民事再生手続き中の大手納豆メーカー、くめ・クオリティ・プロダクツ(常陸太田市)が
08年6月決算で、資産を約13億円水増ししていたことが、同社の内部資料から分かった。
この時点で約48億円の債務超過に陥っていた。同社幹部によると、99年のJCO臨界事故で
売り上げが激減し、経営悪化の表面化を回避するため、操作し始めたという。

 公認会計士が実施した財務調査報告によると、08年6月決算で同社は計98億8900万円の
資産を計上していたが、実際は63億円しかなかった。具体的には、納豆のたれや容器など
在庫を3億2000万円水増し。実態のない有価証券や貸付金なども計上しており、資産の正味の
粉飾は13億円に上る。

 一方、負債は手形を台帳より少なく計上するなどの操作を行った。この結果、
マイナス48億円だった純資産を、プラス5億8600万円にさせ、利益があるように見せかけていた。

 同社は03年以降、常に経常利益を黒字としていた。

 同社幹部は朝日新聞の取材に対し、粉飾決算が99年の臨界事故後に始まったと説明した。
同社はJCO東海事業所から約11キロしか離れておらず、臨界事故の発生直後から返品が相次ぎ、
受注量は激減、在庫の廃棄が続いた。決算操作は、取引銀行などに経営の悪化を悟られない
ようにするため決定したという。同社幹部は「会社をつぶすべきではないという判断だった。
どうにかなるだろうと思った」と説明する。

 その後に起きた大豆など原材料の高騰などにより、経営はさらに窮迫。今年2月に
県中小企業再生支援協議会の支援決定を受ける際、第三者による資産査定が行われ、
粉飾が発覚した。

 一方、同社に45億円を融資していた関東つくば銀行は01年以降、くめの副社長に計3人の
出身者を送り込んでいたが、同社が民事再生法を申請した8月25日になって、12億円の
引き当て不足があったと発表した。


▽News Source asahi.com 2009年10月3日8時3分
http://www.asahi.com/business/update/1001/TKY200909300403.html
▽くめ・クオリティ・プロダクツ
http://www.kume-natto.com/factory/observe.htm