JFEホールディングス傘下のJFEスチールは28日、自動車のマフラーや冷蔵庫などの
家電製品に使うステンレス鋼板について、10月契約分から値上げすると発表した。
中国を中心としたアジア向け輸出の回復に伴い原材料のクロム価格が上昇しているため。
JFEのほか新日鉄住金ステンレスなども値上げを打ち出しており、昨秋以降の急速な
需要減で悪化した収益の早期改善を図りたい考えだ。
JFEスチールは、ニッケルを含まないクロム系ステンレスの薄板鋼板を1トンあたり
2万円(10%強)値上げする。
同社がステンレス製品の値上げを行うのは、2008年4月以来、1年半ぶりとなる。
ステンレス薄板は、政府の景気刺激策を受け、自動車や家電の販売が好調な中国市場で需要が
急回復している。国内でも主な取引先である自動車メーカーなどで在庫調整が進み、回復傾向に
ある。このため、原材料のクロムの価格が7〜9月には、4〜6月に比べて3割近く高い
1ポンド当たり97セントに上昇していた。
同社の田阪達彦ステンレス・特殊鋼営業部長は「原材料価格の上昇に加えて需要も
上向いたため、値上げに踏み切った」と説明した。
輸出の回復が牽引(けんいん)役となって同社の工場の稼働率も、09年1〜3月には
30%程度に落ち込んでいたが、下期(10〜10年3月)は90%弱まで回復する見通しだ。
最大手の新日鉄住金ステンレスも9月契約分からニッケル系のステンレス薄板で1トン当たり
2万円、ニッケルを含まないクロム系で同4000円値上げした。日新製鋼はニッケル系の
ステンレス薄板・鋼管で、9月出荷分から2万円、クロム系で同1万円値上げしている。
ただ、「中国向けが息切れする懸念もあり、先行きが読めない」(業界幹部)との声もあり、
各社では需要や原材料価格の動向を注視している。
値上げで需要が落ち込む懸念もあるため、今後も、弾力的にステンレス製品の生産量や
価格の調整を行っていきたい考えだ。
ソースは
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200909290022a.nwc ■JFEホールディングス
http://www.jfe-holdings.co.jp/ 会社情報・株価
http://company.nikkei.co.jp/index.cfm?nik_code=0030626 JFEスチール
http://www.jfe-steel.co.jp/