【政治】亀井静香郵政問題・金融担当相内定 マーケット関係者からの戸惑いの声も[09/09/16]

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43名刺は切らしておりまして
今、亀井氏が提案している数百兆円規模の国債を発行してバラマキをすると、
通常どんな影響があるのでしょうか?
市場に出回る国債が多くなるので、それだけの国債を買ってもらうためには
政府はより高い金利を払わなければなりません。
国債以下の金利で民間企業や個人が債券を発行しても、企業や個人は国より信用が劣っている
とみなされるため、そんな債券は誰も買いません。
従って、国債の金利は日本の様々な金利の下限となり、金利の基準として使われます。
その国債の金利が高くなると、他の金利もそれにつられて上昇するので、
企業は資金調達しにくくなり、景気が悪化します。
さらに、日本の金利が高くなると、海外から資金が流れ込んで円高となるので、これも景気悪化の原因となります。
これが国債発行の副作用です。

しかし、この金利上昇を抑える方法もあります。
日本銀行は市場から国債を買うことで、市場に出回る国債を減らし、金利を下げることが出来ます。
だから、もし政府が発行した国債と同じ量を日銀が市場から買ってしまえば、金利は変わらず、
円高にもならず、バラマキによる分だけ景気が良くなることが期待できます。
しかしこの場合は、日銀が国債を買った代金の分だけ、市場に出回る通貨(円)が増加します。
そのためインフレとなります。

今の日本は、海外から輸入する資源や食糧の高騰分を除けば、15年間もデフレになっています。
従って、多少市場に出回る円を増やした方が、日本はデフレを脱却して景気が良くなるでしょう。
このように考えれば、日本が多少インフレになるくらい(海外から輸入する資源や食糧の高騰分を除いたインフレ率で
2%程度を目安)まで、政府が国債を増やして日銀がそれを買い取る方が、日本経済にとっては良いと考えられます。

このように国債というのは必ずしもゼロにしたり減らさなければならないというものではなく、
その国の経済状況によって、経済のパフォーマンスを最大にするような最適な発行水準があるのだと思います。