19日からの大型連休シルバーウイークを前に、関西のレジャー・商業施設が相次いで
集客策を打ち出している。21日の敬老の日に合わせ、祖父母・親・子の「3世代」の囲い込みを
目指すサービスが広がっているほか、「リピーター」狙いの動きも目立つ。旅行の予約などは
伸びており、各社とも消費喚起につなげようと意気込んでいる。
■祖父母の支出期待
目玉づくりに腐心する業界が目を付けたのは連休の真ん中にある敬老の日。孫の世代まで
取り込める好機としてサービスに知恵を絞る。子育て世代がリストラなどに直面するなか、
祖父母の支出に期待を込めた面もありそうだ。
ヒルトン大阪(大阪市)は19日から23日の間、和食レストランで敬老祝いの料理コースを用意。
追加で1万2000円支払うとホテル内写真室で家族の記念写真を撮影することができる。
京都ホテルオークラ(京都市)もホテル内の直営レストランで65歳以上の料金を1割引きにする。
子供客には画用紙を用意し、祖父母の似顔絵を描いてもらう企画も考え出した。
ホテルオークラ神戸(神戸市)も一部のレストランでシニアと子供に割引料金を設定し、
3世代での利用を見込む。
小売りでは阪急阪神百貨店が阪急百貨店イングス館(大阪市)の子供関連売り場で、
祖父母に手紙やサンリオのキャラクター雑貨を贈る有料イベントを催す。家電量販大手の
エディオンはマッサージソファなどを敬老の日ギフトとして展示する。
一方、リピーター客の呼び込みに軸足を置く動きも目立つ。夏休みが終わったばかりで、
遠出したくない地元関西圏の消費者などにアピールを目指す。
テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)は、昨年から始めた
人気キャラクターのパレードに加え、新たにセサミストリートのエルモが主役の
ステージショーを開催。海遊館もペアの夜間割引チケットを導入。いつもとはひと味違う
演出で、2度目、3度目の来場につなげる。ほかにも買い物のポイントを上乗せする
ところも多い。
京阪神地区の7月の百貨店売上高は前年同月比2けたのマイナス。「5、6月に新型インフル
エンザの影響で落ち込んだ分を取り戻したい」(京都ホテルオークラ)とシルバーウイークを
消費回復の起爆剤にしたい構えだ。
■需要先食いの声
一部には「連休効果」も出ている。JTB西日本では前週末時点で期間中の旅行の予約状況が
前年同期間に比べ国内が8割、海外が5割増。阪急交通社も海外の伸びが同2倍となっている。
リーガロイヤルホテル(大阪市)では敬老の日向けに企画した宿泊プランがすでに連休前半の
3日間はほぼ満室の人気だ。
ただ業界には「先々の週末の需要を先食いしているだけ」という警戒感も根強い。
新型インフルの影響も読み切れないだけに、どこまで消費を掘り起こせるか疑問符を付ける
向きも多い。リーガロイヤルホテルは敬老の日向けのプランを年末まで継続し、
消費者の関心をつなぎとめる戦略という。
▽News Source NIKKEI NET 2009年09月10日
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news001861.html http://www.nikkei.co.jp/kansai/img/img003910.jpg 旅行各社ではツアー予約が好調(大阪市のJTB西日本船場支店)