出光興産は、製油所の省エネルギー・環境対策を強化する。千葉製油所(千葉県市原市)と北海道製油所
(北海道苫小牧市)の2製油所に、化学薬品を使って常圧蒸留装置(トッパー)やパイプラインの内側に
体積した油分を除去する新たな省エネ・環境技術を導入した。装置内の油のゴミを除去することで、運転や
燃焼効率を高め、原油換算で年間約3500キロリットルの節約効果を実現した、その結果、CO2(二酸化炭素)
も年間8900トン削減できるという。
これまでは、装置を停止した上で、パイプラインや設備を開口して、油分を洗浄していたが、千葉製油所で
今年3月に導入し、油分の除去効果を検証できたため、北海道製油所にも導入することにした。新手法の
導入で、装置を停止する洗浄作業がなくなるほか、燃料費のコスト削減などで1製油所で年間約1億円の
コスト削減につながるという。
化学薬品は、米国のULI社が製油所向けに開発した硫化鉄など除去する薬品。海外技術者との交流を
通じて、韓国の製油所では導入実績があることが分かり、導入に踏み切った。
製油所はエネルギー多消費の典型的な施設だけに、省エネやCO2削減への対応が急務になっている。
出光興産は、2008年9月から全製油所と工場に導入した「リアルタイム操業マネジメントシステム」で、
「安全管理」「環境管理」「品質管理」「収支管理」「生産管理」の項目ごとに工場の“見える化“を推進し、
省エネ実現を図っている。
千葉製油所は省エネルギーセンターが主催する「省エネルギー実施優秀事例全国大会」で、2008年まで
23年連続で入賞を果たすなど、社内でも省エネ推進では先駆者的な存在だ。「生産や温度管理データを
瞬時に把握できるデータをもとに省エネ、環境対応の取り組みを進めたい」(千葉製油所製油1課の
藤原協司TPMリーダー)と話している。
▽ソース:MSN産経ニュース (2009/09/08)
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/090908/env0909080852002-n1.htm