大阪府豊中市の阪急豊中駅前に計画されている複合ビル建設工事が、隣接地との境界線をめぐって
トラブルになり、半年以上着工できない状態が続いていることが7日、分かった。取り壊された旧ビルは
40年前に建てられたが、境界線があいまいなまま建設されたことが原因とみられ、新ビル建設に際して
当時のいざこざが突如、降ってわいた格好だ。街の活性化を左右する“玄関口”が長期間、手付かずの
ままという異常事態に、周辺住民や行政関係者は気をもんでいる。
旧ビルは昭和43年に完成した地下1階、地上5階の商業ビル。スーパーや生鮮食品などの市場、
衣料品店が営業していた。老朽化にともない昨年、建て替えのため解体された。
新しいビルの敷地面積は約1670平方メートル。地下1階、地上14階建てで、3階までは店舗が入居し、
4階以上は分譲マンションとなる。今年1月に着工し来年末に完成する計画だった。
ところが、9月になっても、用地は更地のまま放置されている。関係者によると、敷地の境界線の画定が
済んでおらず、隣接地などの地権者と、工事の事業者である大阪市内の不動産開発会社との間で協議が
続いているためという。工事は旧ビル解体で止まり、新築に着手できない状態になっている。
敷地の境界線が画定されないまま旧ビルが建設されたことが今回のトラブルの原因とみられ、豊中市の
都市計画担当者は「古い建物の場合、地籍があいまいなまま建てられるケースは多々あったのではないか」と話す。
不動産開発会社は、産経新聞の取材に「敷地の境界線について近隣と協議中。現時点では詳細な回答は
差し控えたい」と答え、完成時期は半年ほどずれ込む見込みだという。
一方、40年の歳月を経て“降ってわいた”境界線トラブルに、駅前の商店街関係者は困惑気味だ。
まちづくりに取り組む民間団体関係者は「豊中駅前の活性化の標語は『生活都心』。住む人を増やしたい
という思いはある。駅前の看板ビルだけに、早く完成してほしい」と心配顔だ。
また、市は立体駐車場と緑地を建築物に導入する費用の補助制度に基づき、申請を受け次第、
来年度予算への計上を見込んでいる。
▽ソース:産経関西 (2009/09/07)
http://www.sankei-kansai.com/2009/09/07/20090907-014304.php