英銀行大手のロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)とバークレイズは、信用供与を
拡大し景気てこ入れを支援する姿勢を政府に表明したものの、貸し出しを減らしている。
届出書によると、バークレイズに加え、政府の管理下にあるRBSとロイズ・バンキング・グループ3行の
2009年1−6月(上期)の貸出額は、全世界で1650億ポンド(約25兆円)減少した。RBSとバークレイズの
減少率は約11%と、欧州銀行大手の中で最も高かった。
RBSとバークレイズは、英国での純貸し出しを今年360億ポンド増やすという政府の目標を達成できない
恐れがある。届出書によると、両行では国内の住宅保有者や企業向け貸し出しが上期に95億ポンド減った。
ロイズは純貸し出しの公表を控えている。
キャピタル・エコノミクス(ロンドン)の欧州担当主任エコノミスト、ジョナサン・ロインズ氏は「これは英経済に
とって弱気の兆しだ」とし、「経済成長を実現するには、銀行融資が増える必要がある。供与に抑制が
あることはかなり明白だ」と指摘した。
英大手銀行5行の全世界での貸出額は上期に平均5.4%減った。この減少率は、欧州大陸大手10行の
比率の5倍に相当する。届出書によると、RBSで 910億ポンド、バークレイズは500億ポンド、ロイズで
約240億ポンド、それぞれ落ち込んだ。
RBSの広報担当フィオナ・マクレー氏は、公的支援を受けて融資残高の縮小を計画したと説明した。
バークレイズは貸し出しの落ち込みについて、デリバティブ(金融派生商品)取引やポンド高に備えた
現金の減少に伴うものだと指摘。ロイズの広報担当イブ・スペート氏は、同行は「信用力のある」借り手に
融資する姿勢だと述べた。
▽ソース:Bloomberg (2009/09/04)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003013&sid=aU.cpUrsPppU&refer=jp_us