【金融政策】欧州復興開発銀行などがウクライナに17億ドルの資金供与を決定[09/08/11]

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1依頼@台風0号φ ★:2009/08/14(金) 16:39:17 ID:???
 欧州復興開発銀行、及び、欧州投資銀行、世界銀行は、ウクライナに対して17億ドルの資金供与を共同で
行うことになった。この決定について、欧州委員会のマーク・グレイ広報官は、「今後、経済危機を回避できると
保障することはできないが、欧州委員会や国際金融機関の働きによって、そのリスクは大分低減することが
できただろう」とコメントした。

 ウクライナに追加的経済支援を行う必要性が生じたのは、今年6月、ロシアの天然ガス供給に対するナフト
ガス(ウクライナの国営エネルギー会社)の支払いが難航して以降である。その際、ウクライナ政府は、脆弱な
自国通貨フリヴニャの増刷を余儀なくされた。これに先立ち、メドベージェフ大統領も、ガスプロムのミレル社長
も、ナフトガスの支払い能力に対する不信感を露わにしていた。結果として、5月の供給分については、
なんとか支払うことができたものの、ウクライナ政府は、新たな資金調達先の確保に奔走することとなった。

 最初に支援の手を差し伸べたのは、意外にも、ガスプロムであった。ガスプロムは、ウクライナ領経由で
ロシア産ガスを欧州に供給する際のトランジット料金を2010年年初分まで前倒しで支払った。その額は22億ドル
である。その際、プーチン首相は、「実質的には、22億ドルの貸付と同様だ」と述べている。しかし、プーチン首相
の評価によると、ウクライナが自国の地下ガス貯蔵施設にガスを充填するためには、この2倍、つまり、
47-48億ドルが必要である。

 多くのアナリストは、ロシア側がこうした対応に出たのは、今年1月に起きたようなガス紛争と同様の新たな
対立を避けようとしての試みであったと捉えている。メトロポールのアナリストであるNazarov氏は、「ロシア
としては、新たな対立を望んでいない。1月のガス紛争によって、ガスの供給停止が招くのは不利益でしかない
ことが明らかになった。それは、経済的のみならず、世評という観点からもそうである。ロシア側の対応は、
ウクライナが問題を解決できるようにするためのものであった」と述べる。

 6月末、ウクライナ政府は、欧州委員会に支援を求めた。ナフトガスへの資金供与に関する2回目の協議は
ブリュッセルで行われ、そこで、ウクライナのティモシェンコ首相は、ロシア産のガスを地下ガス貯蔵施設に
充填するのに必要なのは42億ドル相当であるとの数字を明らかにした。しかし、その協議は物別れに終わり、
欧州委員会は、ティモシェンコ首相が提示した42億ドルという額に難色を示し、実際の貸付は、17-20億ドルに
なるとの可能性を示唆していた。

 これに対し、ガスプロムのメドベージェフ副社長は、欧州委員会のウクライナに対する資金供与が間に合うか
どうかということに疑念を呈している。同副社長は、「国際金融機関が9月以前に資金を供与することは難しいと
聞いている。しかし、9月では、手遅れである。我々としては、早期決定を望んでいる」と述べている。

▽ソース:IBTimes (2009/08/11)
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090811/39149.html
記事は>>2以降に続きます。
2依頼@台風0号φ ★:2009/08/14(金) 16:40:28 ID:???
>>1の続きです。

 FINAMの石油・ガスアナリストであるEremin氏も、メドベージェフ副社長の意見に同調している。同氏は、
「恐らく、ウクライナは、2008年 11月にIMFから供与された160億ドルの貸付から一部をガスの支払いに充当
することになるだろう。この貸付の枠内で、33億ドル相当が最近入ってきている。ウクライナ側は、この中の
一部をガスの支払いに充てる可能性も考えている」と述べる。

 ナフトガスに対する貸付の条件は、ウクライナのエネルギーセクター改革である。欧州委員会のマーク・
グレイ広報官は、「我々は、ガスセクター改革に関するウクライナの誓約を得ている。国際金融機関は、
その見返りとして、ウクライナがロシアから輸入しているガスの対価を支払うことができるよう、短期的・
中期的に資金援助を行う」と言及している。

 FINAMのEremin氏は、「焦点となっているのは、ナフトガスの再編である。これについては、ウクライナの
ユーシェンコ大統領も、欧州委員会も、以前より、言及してきた。もっとも、ガス輸送システムを担う国営企業が
民営化されることは難しいだろう。しかし、ロシア統一電力システムのように、ナフトガスを分割することは、
理論上、可能である。欧州にとっては、分割された企業が相互に連携を図って、ガス輸送効率を上げることが
できれば利益となる」と説明する。

 ウクライナの政治家セルゲイ・チギプコ氏は、このナフトガスを株式会社として再法人化することが必要との
見解を示している。同氏は、「我々が恐れているのは、政府の監督が及ばなくなることである。であれば、50%を
国家に残して、残りの25%をロシア側に、後の25%を欧州側に売却すれば良い。そうすれば、透明性のある企業
になる」と述べる。

 しかし、現在のところ、ウクライナの指導者の中で、エネルギー業界の再編に取り組んでいる者はいない。
従って、欧州委員会が取り交わした今後の改革に関する契約は、将来的なものと見てよいだろう。メトロポールの
Nazarov氏は、「欧州側は、現在のウクライナ大統領と、まともな協定を結ぶことはできないということを分かって
いる。つまり、ユーシェンコ大統領が失脚することを見越しているのである。従って、ウクライナとEUが本当に
接近していくのは、 2010年の選挙以降になるだろう」と考えている。

記事は>>3以降に続きます。
3依頼@台風0号φ ★:2009/08/14(金) 16:40:41 ID:???
>>2の続きです。

 ウクライナとEUの接近で青くなるのは、ウクライナのガス輸送システムを監督したいと考えているガスプロムで
ある。それを良く物語っているのが、今年3 月末に署名されたウクライナガス輸送システムの近代化に関する
EU・ウクライナ共同宣言に対するガスプロム代表団の反応である。この署名には、ウクライナのティモシェンコ
首相の他、欧州復興開発銀行、欧州投資銀行、世界銀行、欧州委員会が参加した。

 ウクライナとEUとの関係は、互恵的なものである。ウクライナのエネルギーシステム改革を掲げるEU側の
狙いは、欧州向けロシア産天然ガスの輸送をコントロールすることにある。政治学者のOreshkin氏は、「欧州
としては、ガスの安定供給が必要という他に、ガスの価格交渉ができるよう、独立した供給経路を最大限に
確保したいという思惑がある。欧州がウクライナに対する資金援助を惜しまないのはそのためである」と指摘する。

 一方、ウクライナ側にも、EU統合を目指すという意図がある。Oreshkin氏は、「ウクライナは、資源経済に
よって成り立っているわけではなく、原油価格の上昇に持ちこたえることは難しい。そうした国は、効率性の
向上が必要であり、イノベーションや設備投資を図っていくことが不可欠である」と指摘する。

−以上です−
4名刺は切らしておりまして:2009/08/14(金) 18:59:22 ID:/UEUga2n

ココの債権もってたなあ。大丈夫か?
5名刺は切らしておりまして:2009/08/14(金) 21:56:06 ID:JL+GNX5I
ロシアが危惧してるのは文中にあるとおり、ガス離れ
中央アジア開発が急速に進んでるのもロシアリスクを避けるため

そして何より大統領選があるから
ロシア派に転んだティモシェンコを支援する意味があるんだろう
この時期対立を煽ってはいけないってね
北朝鮮もようやく同様の理由で静かになった
自民に有利になるようなことをするのは得策ではないと
6名刺は切らしておりまして
小見出しとかないと無駄に長くて読む気がせんのう

日本語記事はパラグラフの1文目だけ読んでも理解できないし・・・