7月下旬の中国・九州北部の豪雨で、山口、福岡、佐賀3県の農作物に計13億2700万円の
被害が出たことが各県の調査で分かった。施設などを含めた農林水産業全体の被害は103億円に
上る。田畑の冠水や土砂流入が相次ぎ、福岡、佐賀両県では種まき直後だった大豆の損害が
目立つ。生育を見ないと判明しない被害もあり、さらに広がる可能性があるという。
3県が3日までにまとめた被害額は、農作物は福岡県が水稲や大豆、野菜、果樹などの
冠水・土砂流入により8億4700万円、山口県でも4億1000万円の被害が出た。
ハウスや畜産施設の損壊、農地や林地・林道ののり面崩壊なども多数あり、
農林水産業全体では山口県で43億円、福岡県で36億円、佐賀県で24億円の被害が出ている。
大豆の生産面積が8110ha(08年)で全国5位の福岡県では2350haの大豆畑で、一部または全部が
冠水し、種が腐ったり芽が枯れたりした。生産面積4位の佐賀県(約9000ha)でも220haが
被害に遭った。
福岡県によると、大豆は種が長時間水につかると腐りやすい。例年は7月初めから20日の
梅雨の合間に種をまく。今年は7月に入っても雨が続き、20日前後にまいた農家が多かった。
その直後を豪雨が襲ったという。
山口県では67haの水田が土砂に埋まった。福岡県内の水田被害は計381haで、主に冠水だ。
野菜や花などもダメージを受けた。福岡県内では青ネギ、春菊、小松菜など計103haが冠水。
花もハウスや畑計15haが被害に遭った。
畜産では、佐賀県神埼市でキジの鶏舎が土砂崩れで崩壊。山口県長門市ではブロイラー
4400羽が水につかった。
水産業にも被害は及んだ。長門市では3漁港の4カ所に川からの流木が流入。
約80隻の漁船がある同市の久津漁港は流木やヨシで水面が埋まり、雨がやんだ先月22日は
休漁して撤去作業をした。
▽News Source asahi.com 2009年8月4日3時3分
http://www.asahi.com/food/news/SEB200908030058.html http://www.asahi.com/food/news/images/SEB200908030060.jpg