「鉱山鉄道」としてかつて親しまれた小坂鉄道の再生策を検討している秋田県小坂町は、
現在も残る線路を活用し、「走行試験線」化を目指す方針を決めた。
国内には本格的な鉄道の試験専用線がなく、国の審議会も整備の必要性を指摘している。
町は周辺自治体の協力を得ながら、小坂鉄道を試験線として再生できるよう国などに働き掛ける。
町は今後、同じく小坂鉄道の線路がある大館市や県に協力を要請。試験線の実現に向け、
協議会を設立したい考え。さらに7月中にも有識者を町に招き、鉄道施設を視察してもらう
などして実現の可能性を探る。
国土交通省の交通政策審議会の部会は昨年6月、国への提言書の中で鉄道安全性の適正評価や
新技術の開発推進に向け、試験専用線の整備を「検討すべきだ」と指摘。町は「鉄道技術開発の
拠点を誘致できれば地域活性化につながる」(産業課)として今月、試験線化を軸とした
小坂鉄道再生の基本方針を公表した。
国は試験線の導入を正式に決めておらず、町の取り組みはまだ手探り。だが町産業課の近藤肇参事は
「小坂鉄道はトンネルや急こう配などさまざまな走行条件が試せる路線で、試験線に適している
可能性もある。関係機関に必要性を訴えたい」と意気込んでいる。
町はこのほか、ターミナル駅として駅舎が残る小坂駅を2010年度以降に鉄道テーマパーク
として整備を目指す方針も決めた。町郷土館に保存されている小坂鉄道の客車を駅構内に展示する
などし、町の観光振興を図りたい考えだ。
[小坂鉄道]大館―小坂間の22.3キロ。小坂鉱山の鉱石などを運搬するため1908年に
開通した私鉄。非鉄製錬業の小坂製錬が施設を保有し貨物列車を運行していたが、2008年
4月に運行を休止。今年4月に廃止となったが、線路など施設は残っている。1909年から
94年までは旅客列車も運行した。
ソースは
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/06/20090617t42005.htm 画像は
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2009/20090616022jd.jpg 地図は
http://www.kahoku.co.jp/img/news/200906/20090617_ea-01.jpg 依頼を受けてたてました。