【学術】文科省、全国の国立大学に博士課程の定員縮小要請へ--財政支援で大学院再編促す [05/31]

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816名刺は切らしておりまして
「浪人」

 オーバードクターの就職難を解決せよと山田昌弘(『ワーキン
グプア時代』文藝春秋)が世を憂いている。全く必要のない取り
越し苦労ではないか。芸術家または芸能人を志して一人前にな
れぬ足踏みの不運な彷徨者を、救済せよとは当然のこと言わぬ
のに、博士課程を出たものの独創的な学位論文も書けず、非常
勤講師を掛け持ちしながら、教授職に憧れている中途半端な無
能者を、なぜ誰が世話せねばならぬのか。

 卒業論文で学界の第一線に立ち、衝撃を与え注目を浴びなか
った者に学者の資格はない。それなのに、教授が大学院を担当
したいが為に、歌舞伎町の呼び込み屋の如く、資質のない学生
を博士課程に引き摺り込んだ結果がオーバードクターの氾濫と
なったのだ。或る女子大学の教授が学生に博士課程に入れと口
説いたところ、翌日父親が血相変えて駆けこみ、娘が博士課程
を出てしまったら、どんな夫を探せばよいのかと怒った。教授は
大学院担当という誇示と僅かな手当が欲しいので、ひとりでも
多く大学院へ入れ、誘い込んだ以上は修了させねばならぬゆえ、
オーバードクターが生活できない窮状が生じた。素質のないもの
を大学院に引き込んだ欲深教授の罪である。

(月刊WiLL-2009年8月号 天地無用)
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