政府・与党は27日、日本政策投資銀行の完全民営化の方針を撤回し、
政府が株式の3分の1超を保有し続ける方針を固めた。
野党側の主張を受け入れ、衆院に提出中の関連法案を修正する。
小泉政権が掲げた政府系金融機関改革の目玉がほごにされる格好で、
「改革の頓挫」という批判も出そうだ。
衆院財務金融委員会の与野党協議で、政投銀法改正案の付則を修正することで
大筋合意した。3分の1超の株式を持っていれば、合併や買収といった
経営上の重要事項の決定を拒否できる。将来にわたって政府の関与を確保するのが
狙いだ。
政投銀は13〜15年ごろの完全民営化を前提に昨年10月、特殊法人から
政府が100%株式を持つ株式会社に転換した。だが、米国発の金融危機後の
急速な景気悪化で、民間銀行にはできない緊急融資の担い手としての政府系
金融機関の役割を再評価する声が強まった。
政投銀法改正案では、完全民営化を3年半程度先送りし、
「銀行のあり方を3年後に再検討する」という見直し規定を盛り込んでいたが、
さらに踏み込んだ。民主党の「行き過ぎた民営化を改めるべきだ」という
主張にも沿ったかたちで完全民営化はさせず、政府の意向次第で公的機能を
果たさせることを鮮明にした。
ただ、官僚の影響力が温存されることに加え、景気回復後の民間銀行への
「民業圧迫」といった批判も予想される。完全民営化では少なくとも2兆円規模と
みられていた株式売却益が、大きく目減りすることは避けられそうにない。
なお与党内には異論があるうえ、民主党が提出した別の法案への
与党の対応次第では、今回の修正内容が白紙に戻る可能性も残っている。
〈日本政策投資銀行〉
http://www.dbj.jp/ 前身は日本開発銀行。北海道東北開発公庫と合併し、特殊法人「日本政策投資銀行」
となった。08年に株式会社化。資本金は1兆円。主に大企業向けの設備投資資金
など長期融資業務を担う。社長は前伊藤忠商事会長の室伏稔氏、副社長の1人は
元財務事務次官の藤井秀人氏。08年9月末の貸出金残高は11兆2946億円、
行員数は1347人(08年度)。
◎ソース
http://www.asahi.com/business/update/0528/TKY200905270353.html ◎関連スレ
【金融/政策】官民包囲網に揺れる政投銀--パイオニア、ルネサス、エルピーダが群がる公的資金 [05/27]
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1243423627/