英シュローダー・インベストメント・マネジメントは、英国の財政状態が悪化するなか、グローバルファンドに
おける英国債の組み入れを「ほぼゼロ」にした。同社は、監督当局に報告を行う企業の中では、英国債の
保有が2番目に多い。
シュローダーのポートフォリオマネジャー、デービッド・スキャメル氏は26日のインタビューで、「英国は
正当化できる以上の財政支出を実施しており、構造的な問題を抱えているのは明らかだ」と指摘。
「われわれはここ1−2カ月で、グローバルポートフォリオの中の英国債を事実上ほぼゼロにした。政府の
財政見通しはうまくいかない。英国が最上級格付けを失う可能性は十分あるはずだ」と述べた。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は21 日、英国の格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」
と、従来の「ステーブル(安定的)」から引き下げたと発表。同国の債務負担増加を理由に挙げた。S&Pは
現在、英国に対し最上級格付け「AAA」を付与している。
また同氏によれば、シュローダーが向こう3カ月間はグローバルファンドにおける英国債の組み入れを
増やす可能性が低い一方、英国債のみのポートフォリオについては、満期までの期間が3年以内の債券の
保有を続ける。財政支出の拡大や過去最低水準の政策金利の影響で、インフレが起こるとの見方が
強まっているためだという。
スキャメル氏は、「S&Pが実際に格下げした場合、投資は恐らく短期債の方が安全だろう」とし、「ほかにも
懸念要因はある。インフレが懸念されている」との見方を示した。
▽ソース:Bloomberg (2009/05/27 19:14)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003015&sid=apZU7hVH_gOU&refer=jp_europe