【金融/政策】官民包囲網に揺れる政投銀--パイオニア、ルネサス、エルピーダが群がる公的資金 [05/27]
1 :
ライトスタッフ◎φ ★:
5月中旬、東京都内ホテルでのある会合。電機担当のトップアナリストだった人物は、
席を共にした大手電機メーカー前社長に迫った。「国が電機メーカーに出資するって
話、なぜまかり通るんでしょう」。前社長もこれに、「どうかしてる。それで日本の
国力は上がるのかね」と同調していた。矛先が向いたのはパイオニア、半導体メーカー
のエルピーダメモリやルネサステクノロジなど、公的資金を使って資本増強の申請を
準備している企業群である。
この4月末、改正産業活力再生特別措置法(産活法)が施行され一般企業が公的資金で
資本増強する枠組みが動き始めた。産活法の認定を受けた企業に、日本政策投資銀行が
出資する。その企業が破綻するなどした場合、政投銀は公的資金で損失補填をして
もらう仕組み。補填比率は出資の5〜8割だ。
世界同時不況で政府にメーカーが支援を仰ぐ例は他国にもある。ただ震源地となった
米国ではビッグスリーの経営トップは揃って公的支援の必要性を議会で証言している。
議員からの厳しい質問にも答えた。税金を使うための最低限の公開性が担保されている。
日本では決算会見の席上で、「公的資金の申請を準備している」(パイオニアの小谷
進社長)と表明する程度。申請に向けた交渉は、結論が出るまですべて闇の中だ。
その闇に問題点が潜んでいる。
政府と交渉する進捗状況をパイオニアの小谷社長に質せば、「言えない」ではなく
「分からない」。どの官庁と話し合いをしているかすら、「私には分からない」。
それもこれもすべて、出資交渉が当事者を外した水面下のものだからにほかならない。
■三菱東京UFJ、動く
パイオニアが公的資金を申請するには経済産業省や財務省などが交渉相手となる。
実際に動いたのはメーンバンクである三菱東京UFJ銀行だった。
同行は年明け早々に動き出す。年度末に必要な運転資金の数百億円については、
複数の取引銀行を説得し融資を取りまとめた。ただ先行きの見えないパイオニアに、
もはや単なる追加支援は難しい。
企業再生に向け頼みの綱が公的資金の活用だった。それには同時に民間スポンサーも
必要との共通認識が醸成される。候補企業に出資話を持ち込むものの、「パイオニアの
資産査定をするまでもなく、お断りした」(ある投資ファンド幹部)。
“本命”の公的資金も、経産省や財務省、そして政投銀の責任者らに説得を続けるが
色よい返事はもらえない。前向きな経産省でさえ「出資の理屈がつかない」(ある幹部)
と嘆く始末だった。
無理もない。このスキームは世界同時不況という暴風雨に巻き込まれた、日本経済に
欠かせざる企業を救うためとの建前がある。来年3月期に6期連続の連結最終赤字となる
見通しの「万年赤字企業」を対象とするのは、いかにも理屈が通らない。
年度が変わると、なぜか流れは支援へと大きく変わった。三菱東京UFJとは別部隊で
交渉を進めた当事者が「有力政治家にも働きかけをした」ことが奏功したとの見方もある。
政治の圧力からか経産省、財務省が徐々に動き始め、そして投資を担う政投銀も交渉の
テーブルに着くようになる。
※まだ続きます。
◎ソース
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090521/195381/
2 :
ライトスタッフ◎φ ★:2009/05/27(水) 20:27:33 ID:???
>>1の続き
ただし政投銀の幹部は1つの注文をつける。「メーンバンクは痛みなし。それで済み
ますかね」。想定するのは三菱東京UFJが持つ融資債権の一部放棄、あるいはDES
(債務の株式化)といった金融支援だろう。
かつて不良債権処理を一気に進める際、問題企業の受け皿となった産業再生機構は、
時に債権放棄などをメーンバンクに迫った。政投銀も、支援を三菱東京UFJに求めつつ、
「将来の業界再編の絵姿を具体的に示してほしい」(前出の政投銀幹部)と、投資が
ムダにならない確証を得ようとしている。
パイオニアは4月28日、ホンダによる25億円の資本参加と同時に、三菱電機ともカー
ナビゲーションなど車載機器を共同開発すると発表した。だが、三菱電機は
「(2002年から進めるカーナビ用ソフト技術の相互利用という)従来関係をもう一度
確認しただけ」(吉松裕規・常務執行役)と素っ気ない。事業統合に踏み込む考えは
毛頭ない。
表向きはともかく、本音では政投銀が出資に二の足を踏むのも無理はない。いくら
三菱東京UFJ首脳が「(政投銀は)いろいろと条件をつける前に、もっと積極的に関与
すべきだ。危機である今、産業を再生する気があるのかと言いたい」と憤っても、
である。
■政投銀が慎重になる理由
政投銀が投資に慎重な背景には同行が置かれた微妙な立場がある。政府系金融機関
だった政投銀は昨年10月に特殊会社(政府100%出資の株式会社)となり、2013〜15年
に完全民営化する途上にある。目指すのが「投融資一体型金融サービス」だ。
これまで日本航空や三菱自動車といった事業会社に対する長期融資の実績は多いが、
出資となると額は意外なほど少ない。つまり投資には不慣れな組織と言える。
2007年3月時点の投資残高はわずか1684億円。その後1年で残高を2倍弱に増やしたが、
半面、性急にやりすぎたとの反省も出ていた。昨秋、投資残高をほぼ維持することへと
戦略転換した矢先、動き出したのが政府による投資スキームだった。投資のブレーキを
かけた直後に、政府に再びアクセルを踏ませられる。それが政投銀の置かれた苦しい
立場だ。せめてメーンバンクに注文をつけたくもなる。
政投銀が悩む案件はパイオニアに限らない。NECエレクトロニクスとの経営統合を決めた
ルネサスも同様だ。
ルネサスに55%出資する日立製作所の川村隆社長は「出資、融資を含む公的資金活用も
選択肢の1つ」と経営統合の発表会見で断言した。NECエレとの経営統合により日立と
三菱電機(出資比率は45%)の持ち分比率は下がる。浮沈が激しい半導体事業の連結
業績への影響を弱めるのが狙いだ。負担を公的資金に肩代わりさせるなら、日立など
「親会社」は統合会社の勝ち残り策を明示するのは当然だろう。
今あるのは「統合会社が世界3位」という規模の話くらい。閉鎖する生産ラインの数も
既に発表済みの計画を足し合わせたに過ぎない。両社の主要工場をどう活用するかさえ
明らかでない。
この4月、政府の「経済危機対策」で公的資金の出資枠は2兆円へとほぼ倍増した。
政投銀の“親”である政府の一角を占める経産省と財務省、それにメーンバンクと
いった手練手管の交渉相手は、「危機」を前面に出し出資を迫る。
果たして、政投銀は冷静な精査ができるだろうか。
(日経ビジネス 2009年5月25日号)
ルネとエルピは無くなると困るが、πは無くなったところでなぁ…
4 :
名刺は切らしておりまして:2009/05/27(水) 21:42:31 ID:NhO8FCQY
個人は自己責任。
大企業は救済。
これが自公の政治。
5 :
名刺は切らしておりまして:2009/05/27(水) 21:44:20 ID:ds4dZNxx
>>4 自己責任、自助努力、収支の均衡、官から民へ、自由競争、小さい政府という
構造改革(笑)の理想はどこへ行ったんでしょうかね?w
7 :
名刺は切らしておりまして:2009/05/30(土) 09:21:24 ID:LyT82y0L
銀行が債権放棄すれば済む話じゃん。
優先株も劣後債も売れないような企業が再建するかよ。
9 :
名刺は切らしておりまして:2009/05/30(土) 23:51:11 ID:KmiiG/JC
国内にカーナビメーカーは11社もある
パナソニック、ソニー、三菱電機、三洋電機富士通テン
ケンウッド、アルパイン、クラリオン、デンソー、アイシンAW、パイオニア
支援してどうするのか全く分からん
>>9 パナ、富士通テン(←デンソーorAW)
だけでいいんじゃね
パイオニアは無くなっても誰も困らないよね
12 :
名刺は切らしておりまして:
,ィヽ /三三,/´ `丶ミ三ベ
. / / /三三/ ` ヘ
/ / __/三┌'' ハ 経営者たちは、納税者の金を自分たちの給与水増しや高価な衣類、
. / / //ハ三/ ェエ≧ト j l
/ / ,ィヽ | / ! ゞツヽ / /≦エト リ 自家用ジェット機のために使うことはできない。
,ィ≦´ ̄ ̄ ` V / l〈__ j. ,.' l ムツ ,'
|  ̄ ̄ ̄ `V / ヽ‐' / l l ,' ウォール街の重役たちのために税金を一銭も使うつもりはない。
|  ̄ ̄ ̄Vリ Y _ リ `ー 、__,、) /
| ´ l ̄ハ l /_,x</l /__,,....、__ l ./ 銀行ではなく、人々を支援するのだ。
____j .j 'ー' ン::::::::::::j .ヘ / |‐'‐‐- -''リ/ ,.'
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