美術館・博物館に併設されているミュージアムショップ。「売店」のイメージは
過去のこと。特に“和系”美術館で進化がめざましく、展示室とは違った楽しみを
もたらしてくれる。
東京・六本木の東京ミッドタウン。インテリアショップが並ぶ一角にサントリー
美術館はある。ふんだんに使われた木、間接照明……周囲の店舗にひけをとらない
雰囲気だ。
同館は日本の古美術を中心に所蔵。ショップでは伝統と現代の美の融合をテーマに、
オリジナルの文房具類や、各地の職人が手がけた工芸品などを扱う。人気商品は、
きり箱に入った色鉛筆(3600円)。通常の色鉛筆とは異なり、日本画に用いる
岩絵の具の色調をベースにしているのが珍しい。
価格は全体的に高めだが、いずれもデザイン性の高さが特徴だ。07年、赤坂見附
から移転したのを機に、内容を一新した。
商品は、所蔵品の図柄をあしらえばいい−−。そんなイメージを覆し、おしゃれに
進化させた「和モダン」の先駆けが京都市左京区、平安神宮そばの細見(ほそみ)
美術館。98年に開館し、小規模ながら琳派(りんぱ)や伊藤若冲(じゃくちゅう)
の名品をそろえる。
「海外ではニューヨーク近代美術館などに名だたるミュージアムショップがあるのに、
日本にはない」。こんな細見良行館長の意向で、ショップが誕生した。最近は多くの
美術館が建て替え時期を迎えており、「参考にしたい」との問い合わせが相次いで
いるという。
一方、「日本で『ミュージアムショップ』という言葉を使ったのはうちが初めて」
というのは東京国立博物館。90年、下足スペースだった地下を改造し、約600
平方メートルの常設ショップを開いた。約1650点のグッズに加え、専門書や
他館で開催された展覧会の図録など約1万冊の品ぞろえを誇る。
定番は、うちわや手ぬぐい、ポストカード類だが、商品開発にも力を入れている。
尾形光琳作のすずり箱をモチーフにした缶入りクッキー(1050円)は断トツの
人気で、1日120〜200個が売れる。子供向けの「はにわぬり絵」(367円)
や笛の「ドレミはにわ」(945円)も好評という。
4月には仏像のレプリカも発売。国の重要文化財を10分の8サイズで作った
(35万円)。仏像のレプリカで利益を得ることはご法度だったが、ショップの
重要性が認知され、発売に至った。既に3体が売れたという。
同博物館の小林牧・広報室長は「『見る』だけでなく、おいしいものを食べたり、
買い物することも重要な体験。ミュージアムはもはや、しかめっ面で勉強するだけの
場所ではないんですね」と話している。
●広さ約600平方メートルの東京国立博物館のミュージアムショップ。
ダークブラウンを基調にしたシックな内装だ
http://mainichi.jp/enta/art/news/images/20090516dd0phj000001000p_size5.jpg ◎ソース
http://mainichi.jp/enta/art/news/20090516ddm013070192000c.html ◎関連スレ
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http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1242342469/