大日本印刷は、ICカード事業を強化する。ソニーの非接触ICカード技術「FeliCa
(フェリカ)」に対応した、高機能と低価格のフェリカカード2種類を開発、13日から
順次発売した。
製品ラインアップを従来の4種類から6種類に増やすことで、カードの新たな需要を掘り起こす。
大日本印刷はフェリカカードで約3割のシェアを握るトップだが、販売拡大を図り、トップの地位を
強固にしたい考え。
開発したのは、多くの情報を記録できる高機能タイプと、記録できる情報量を絞り込み価格を下げた
低価格タイプの2種類。13日に発売した高機能タイプは、オフィスの入退室や電子マネー、
生体認証といった多彩な用途に1枚で対応できる。
生体認証は、顔と指静脈など2種類の生体認証機能を盛り込むことができ、より高い
セキュリティーが求められるデータセンターの入退室など利用拡大につなげたい考え。
1万枚製造時の価格は500円。メモリー容量を従来カードの4キロバイトから、倍以上の
9キロバイトに拡大した。
一方、低価格タイプは、一定のセキュリティーレベルを確保しつつ、価格を磁気カードの
2〜3倍となる100円(100万枚製造時)に抑え、無料配布も可能にした。
会員証やチケット、ギフトカード、ポイントカードとして使えるほか、読み取り装置にかざすだけで
特定のウェブサイトをパソコン画面上に表示させることもできる。今秋から販売し、磁気カードや
紙のカードからの置き換えを狙う。
非接触ICカードは利便性やセキュリティー機能の高さが特長。中でも1996年に登場した
フェリカカードは、ビットワレットの電子マネー「Edy(エディ)」や、JR東日本の電子乗車券
「Suica(スイカ)」、社員証など、利用シーンが広がっている。
しかし、最近は普及が一巡し、景気悪化の影響もあり、発行枚数が減少。2008年は前年より
200万枚少ない5400万枚に落ち込んだ。大日本印刷が新製品を投入する背景には、
新たな利用シーンを提案することで、市場再活性化を図る狙いがある。
同社は4月1日付で従来の「ICカードビジネス開発本部」を「デジタルセキュリティ本部」に
改称。今後は顧客への用途提案によるカード販売だけでなく、カード情報の管理や
情報システム構築などに事業領域を広げる。
ソースは
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200905140017a.nwc 依頼を受けてたてました。