オバマ米政権はバイオ燃料とプラグイン式電気自動車を優先させ、水素を利用する燃料電池計画の
関連予算案を大幅に削減したが、ホンダとトヨタ自動車、米ゼネラル・モーターズ(GM)は燃料電池車の
開発を進める方針だ。
オバマ大統領が先週議会に提出した2010会計年度(2009年10月−10年9月)予算教書の詳細によると、
エネルギー省の水素関連計画予算は60%縮小され6820万ドル(約67億1500万円)とされた。エネルギー省の
チュー長官は、自動車向けの燃料電池が近い将来に普及する公算は小さいことから、同省はビル用燃料
電池などのプロジェクトに集中する方針だと述べた。
ホンダの米政府・業界担当バイスプレジデント、エド・コーエン氏はインタビューに応じ、「ホンダは燃料電池
に深くコミットしており、われわれはこれを追求するつもりだ」と言明。「石油の使用と温室効果ガスの排出を
減らすなど輸送面での目標を達成するには限られた数の選択肢しかない。水素はその1つだ」と説明した。
GM研究開発・戦略立案担当バイスプレジデント、ラリー・バーンズ氏は「水素は、GM改革の一翼を担う
ものであると同時に、エネルギー安全保障や石油使用と温室効果ガス排出の削減という米国が抱える
中長期的問題の解決のための鍵となる」と語った。
トヨタ米国部門の広報担当、ジョン・ハンソン氏はオバマ政権の予算削減について、「当社の計画は今後も
その影響を受けることはない」と述べ、「自動車そのものは発明済みで、残る問題はインフラとコスト削減の
方法だ」と指摘した。
▽ソース:Bloomberg (2009/05/11 15:05)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=aXac6yZnXVOY&refer=jp_asia