ソースは
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200905120024a.nwc [1/2]
三菱マテリアルなど非鉄大手5社の2009年3月期連結決算が、11日出そろった。
売上高は全社が前年同期比で大幅減収、最終損益は3社が赤字に転落し、2社が大幅減益になった。
昨秋以降の世界同時不況の影響で、銅や亜鉛などの金属価格が急落し、販売数量も激減したこと
などが響いた。
三井金属とDOWAホールディングスは、金属事業に加え、新たな収益源として育成してきた
半導体向け電子材料や、自動車向け部品事業の不振が収益を圧迫し、経常損益、最終損益ともに
赤字に陥った。
最終赤字は三井金属が14年ぶり、DOWAが6年ぶりになる。古河機械金属はかろうじて
経常赤字を免れたものの、5年ぶりの最終赤字になった。
三菱マテリアル、住友金属鉱山は売上高、経常利益、最終利益のいずれも大幅な減収減益だった。
セメント、銅、加工、電子材料の4事業を中核にした「四輪駆動経営」を掲げる三菱マテリアルは
各事業が苦戦し、住友金属鉱山は権益を保有する海外鉱山からの収益が銅価格の下落で減少した。
10年3月期の業績予想も、本格的な経営環境の回復は見込めないとして、最終損益は
三菱マテリアルが500億円の赤字、三井金属が51億円の赤字を見込み、住友金属鉱山も
前年同期比68.1%の大幅減益を予想している。
◇
【予報図】
■中国向け需要復調がカギ
非鉄業界は1970年代以降、急速な円高などで国内鉱山の競争力が低下し、鉱山の閉鎖を
はじめとする大幅リストラを余儀なくされた。このため、各社は電子材料や自動車向け部品を
新たな収益の柱に育成し、事業の多角化を進めて成長軌道への復帰を果たした。
しかし、昨秋以降の世界的な景気後退の波が、こうした多角化戦略の原動力となってきた
新規事業を直撃し、業績の足を引っ張っている。
電線などのインフラ整備に欠かせない銅や、自動車向け鋼板のめっきに使われる亜鉛といった
金属事業にも、不況のダメージは及び、各社は再び、生産拠点の集約や人員削減という大幅な
リストラに踏み切らざるを得なくなっている。
今後も、「半導体、自動車関連の本格的な回復は来年度」(三菱マテリアルの兼本宏志常務)と、
厳しい経営環境は続く見通しで、各社は一段のリストラによるコスト削減を迫られる可能性が
大きい。
業績回復の鍵を握るとみられるのは、大型景気対策を実施した中国向けの需要がどこまで
復調するかだ。
さらに、苦境を教訓に持続的な成長を遂げるには、既存事業の立て直しに加え、DOWAの
廃棄物からレアメタルを取り出すリサイクル事業など、次の収益基盤となる新規事業の育成も
重要だ。
-以上です-
“非鉄大手5社の2009年3月期連結決算”という表は
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200905120024a2.jpg