【発言】「日本は農産品市場を開放すべき」−経団連御手洗会長、ドーハラウンド早期妥結に向け[09/04/29]

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632名刺は切らしておりまして
東洋経済の【国内生産 キヤノンの黄昏】が面白かった。
 これは、かつてアジア生産に移行したものを国内生産に戻してトラブルを続出させている(デジ一眼の)キヤノンと、タイでの生産で問題無く回しているニコンを対比させた面白い記事なんですよ。
 私は全然知らなかったのですが、最近キヤノンのデジ一眼のトラブルが多いらしくて、5Dで、ミラー脱落なんていうとんでもないトラブルも起こっていたらしい。
たとえば「クリーン・ルームがクリーンルームで無い」実態がレポートされている。
 作業者は全くマスクをしていない。請負労働者が、「他社からキヤノンに来て驚いたのはクリーンルームの汚さ」と証言するんですよ。蛍光灯で大気中に舞っているゴミが浮かび上がる。
 ホコリが舞うクリーンルームなんてのは、そもそもクリーンルームで無いでしょう。
 しかも、製造過程で不具合が発見されると、キヤノン側と請負側が責任を譲らずに双方グレーンゾーンのまま「通してしまう」。つまり、そのまま出荷してしまうこともあるらしい。これは全て大分工場での話です。

 なぜこういうことが起こっているのか? まさに請負の問題で、キヤノンは一切指示できないんですよ。もし工場内のことに口出しすると、それは偽装請負ということになるから、全ては、請負会社に任せてある。
つまり、東南アジアの何処かの途上国に任せるより遙かに無責任な体制の元で、世界最高レベルが求められる電子部品が生産されている。

 ちなみに私が去年買った40Dは、珍しく製品不具合は無いんだけど、シャッターを押した瞬間に振動が発生するみたいな話があるらしいですね。
KISSNでは画像消失、1Dなんていうフラッグシップモデルですら、AFやミラーの不具合が潰せずにいる。

 大分キヤノン関係者であれば誰でも知っている07年10月のボヤ事件というのがあって、突然ラインで火事が起こって消火器を噴霧する事態になった。
安岐事業所のカメラ組み立てライン、当然クリーンルームで起こった事故で、そこでは、カメラ外装のプラスチックの傷を隠すために、工員がライターで炙っていたと(^_^;)…‥。その方法が非公式に工員の間で共有されていたらしい
。それが揮発性のガスに引火した。
 クリーンルームでライターってそれ何だよ、とひっくり返るようなお話ですが。
この記事を読んだ後では、これはもうキヤノンなんてとても買えないですよ。ベテランが現地で指導し、向上心のある現地人労働者が作ったメイドイン途上国の方が遙かにまし。

キヤノンが抱えることになった製品クオリティの問題は、雇用の問題ではあるけれど、実は必ずしも終身雇用の問題では無いんですよね。あくまでも労働法に於ける偽装請負の問題で生じたことです。
 これが偽装請負か否かというのは、面白い議論になるだろうと思うけれど、実態は偽装請負でしかないと私は思います。
そらキヤノンの工場で、キヤノンの仕様書に基づいて製品を組み立てているわけですから。
でも直接指導すると、いずれ正社員として雇用しなきゃならないから、法律の抜け道を通って「請負」関係に過ぎないことを証明するために、製品クオリティが低下することを覚悟で偽装請負を続けていたw。