関西を代表する観光地、六甲山と有馬温泉が手を組み、観光客を呼び込む動きが加速している。
両地域で観光客獲得を競ってきた阪急ホールディングス(HD)と阪神電気鉄道の経営統合を機に、
昨夏には阪急系、阪神系の観光事業を手がける4社が協議会を結成。25日には学生と専門家が
意見を交換しあう「サロン」を開催する。テレビ電話を使った講演会も予定しており、自然に囲まれた
環境で都市部と同様の仕事をこなす「リゾートオフィス」の可能性も探る方針だ。
25日にサロンを開催するのは「阪神阪急六甲有馬連携推進協議会」。昨年7月に六甲山、有馬温泉
地区で事業を展開してきた阪神総合レジャー、六甲山ホテル、六甲摩耶鉄道、有馬ビューホテル
(太閤の湯)の4社が結成した。各社は「阪急系」と「阪神系」で別々に活動していたが、平成18年10月に
阪急、阪神が統合したことで一転、活動を一体化することになった。
協議会の名称が阪急、阪神の統合会社「阪急阪神ホールディングス」と異なり「阪神」から始まるのは、
六甲山のレジャー施設は阪神系が主体であることを考慮したため。これまでホテル事業やレジャー事業で
利用者獲得を競い合った各社にとって、連携の象徴だ。
「サロン」では、協議会傘下のホテルや健康保険組合の閉鎖された保養所を会場に「まちづくり」について
専門家と学生が意見交換する。「六甲摩耶観光推進協議会」の今西淳二会長、「有馬温泉観光協会」の
當谷正幸会長も出席し、観光活性化についても議論。日本有数の避暑地、軽井沢(長野県)とテレビ電話で
つないで講演会も開催し、リゾートオフィスとして六甲山の実用性も検証する予定だ。
関西屈指の避暑地である六甲山(摩耶地区も含む)と「日本3古泉」として有名な有馬温泉は地理的には
隣接。しかし、それぞれが過去に多くの観光客を集めてきた実績もあり、協議会発足まで本格的に連携した
ことはなかった。
協議会は発足以来、阪神系の人工スキー場と阪急系の温泉施設を組み合わせた旅行商品を企画するなど、
積極的に活動。グループのコラボ企画利用者だけで、20年度は前年度比1・7倍の8950人が六甲山と
有馬温泉の両方を楽しんだという。
両地域の連携を仕掛けた有馬ビューホテルの入谷泰正社長は「六甲山と有馬温泉でリゾートオフィスが
実現すれば、観光だけでなく、関西経済の発展にもつながる」と話している。
▽ソース:MSN産経ニュース (2009/04/24 14:00)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090424/trd0904241402001-n1.htm