今年2月の訪日外国人客数が、対前年同月比で41・3%減となり、1カ月間のデータとしては
昭和39年の統計調査開始以来、同46年8月(41・8%減)に次ぐ大きな下げ幅を記録していた
ことが20日、政府機関の調査で分かった。46年8月は前年8月が大阪万博の開催期間だった
ことの反動が大きく、事実上過去最大の下げ幅となった。世界的な景気低迷や円高でアジアの
客足が遠のいたことが影響したとみられる。
国土交通省の外郭団体「日本政府観光局」(JNTO)によると、今年2月の訪日外国人客数は
40万8800人で、前年同月の69万6326人に比べて41・3%減。対前年同月比で昨年8月の
74万2022人から7カ月連続で減少しており、景気低迷などが続く限り、今後も減少傾向が続くと
みられている。
特に最多を占める韓国からの訪日客は23万4876人から10万6900人と54・5%の大幅減。
円高、ウォン安で韓国ウォンの価値が半分近くに下落しており、自治体では外国出張や研修、
外国旅行も手控えるよう呼びかけているという。
このほか、台湾ドル安の影響で台湾も48%減の5万9300人。中国は25・9%減の6万3100人、
米国も22・4%減、英国は30・8%減などとなっている。
JNTOでは、アジアからの観光客減少の一因として、各国で連休となる旧正月の時期が今年は
1月中で、2月中だった前年との差が大きくなったと分析。ただ「これまで旧正月の変動は数%台で、
今回の数字はかなり深刻」としている。
政府は平成15年からビジット・ジャパン・キャンペーンを開始。22年に訪日外国人1000万人を
目標にしており、16年の約614万人から20年は約835万人を記録していた。
一方、関西空港の外国人入国者数も減少を続けており、昨年10月の14万5930人から今年2月は
8万1190人と半分近くに減少。大阪府観光課では「大阪市内のホテルでかなり宿泊客が減ったと
聞いている。このままこの事態が続けば観光だけでなくさまざまな分野で影響が大きくなるのでは」と懸念している。
▽ソース:産経関西 (2009/04/20)
http://www.sankei-kansai.com/2009/04/20/20090420-008920.php