高金利通貨国の債券に投資するファンドの、通貨入れ替えが目立っている。足元ではハンガリー・フォリントを
外すファンドが目立っているが、新たに選定される通貨はユーロや米ドルをはじめポーランド・ズロチ、エジプト・
ポンドなどまちまちとなっている。
ハンガリー・フォリント外しの主な背景はハンガリー国債の格下げによるもので、「モルガン・スタンレー
世界高金利通貨投信(毎月分配型)62006748JP/(年2回決算型)62006749JP」、「安田高金利外債ファンド
(愛称:12の果実)」62006731JP、野村アセットマネジメント「世界好金利通貨ファンド(コース2)」
62006372JP──などは3月から4月上旬にかけ、ハンガリー・フォリントを投資対象通貨から外した。
各運用会社の販売用資料等によると、ハンガリー・フォリントを外し、新たにユーロを選定した「モルガン・
スタンレー世界高金利通貨投信」の運用会社、モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投信では、今後、
ハンガリーは経済成長の低迷が長引く可能性が高まったとして、一時的な通貨下落リスクが上昇したと判断
している。同じくハンガリーフォリントを外し、新たに米ドルを選定した「安田高金利外債ファンド」の安田投信投資
顧問は、同国の国債の格下げに加え、政局にも不透明感が増したと指摘した。ハンガリー・フォリントを外し、
新たにポーランド・ズロチを選定した「世界好金利通貨ファンド(コース2)」の野村アセットマネジメントは、今後は
IMF(国際通貨基金)やEU(欧州連合)がハンガリー政府の資金調達に多大な支援を提供したことで、同国が
必要とする外貨資金の調達が困難になるとの懸念は緩和されているものの、今後ハンガリーの財政状態が
安定するかどうかを注視する必要がある、としている。
また他の高金利通貨投信の通貨入れ替えをみると、国際投信投資顧問の「グローバル高金利通貨オープン
(毎月決算型)」62006432JPでは、同ファンドのマザーファンドの運用委託先であるウエリントン・マネージメント・
カンパニー・エルエルピーが新興国5通貨のうちトルコ・リラをエジプト・ポンドに入れ替えたほか、野村アセット
マネジメントの「野村新世界高金利通貨投信(毎月分配型)」62006346JPにおいては、同ファンドの主要投資
対象である「ING・グローバル・カレンシーファンド」の副投資顧問会社アイエヌジー・アセット・マネジメントB.V.
が、投資対象10通貨から中国元を外し、他社が投資通貨から外したハンガリー・フォリントを新たに選定した。
▽ソース:ロイター (2009/04/14)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-37480020090414