自然エネルギーの需要増を見込み「太陽電池」に光明を見いだそうとする企業が増えている。
麻生太郎首相が9日発表した新成長戦略に盛り込まれた「低炭素革命」でも重要な役割を果たす
太陽光発電。足元の景気は厳しいが、エネルギー問題、環境問題に対応した次世代産業に中部の
企業も熱い視線を注いでいる。
日清紡ホールディングス傘下の日清紡メカトロニクスは10日、愛知県岡崎市で太陽電池製造設備を
造る新工場の完成式を開く。床面積は約1万平方メートル。5月の大型連休明けから稼働させる。
同社は、太陽電池セルをガラスやシートで封止する装置とパネルの出力検査装置を製造しており、
国内シェアはそれぞれ約7割と約9割。新工場の完成で生産能力は倍増する。
太陽電池製造設備の2009年3月期の売上高は約82億円の見通しで、10年3月期は1・6倍の
130億円、12年3月期は4・3倍の350億円を目標にしている。
売上高の8割は海外のため、海外でも積極的な戦略を展開。オバマ米大統領が打ち出した「グリーン・
ニューディール政策」に乗って、7月には米カリフォルニア州に現地法人を設立する方針で、年内には
ジョージア州アトランタ市近郊にも拠点を設ける。
同社は「昨秋以降、インドなど新興国で代理店を急速に整備した。ここ2、3年が勝負。スペインなどにも
広げたい」と意気込む。
ノリタケカンパニーリミテド(名古屋市)も、成長分野として自然エネルギーに注目。太陽電池のセルから
電流を取り出す電極ペーストや、セル原料のシリコンのインゴット(塊)を造る溶融炉、シリコン切断工具など
幅広く手掛けており、関連事業の売上高は08年度見込みの約30億円に対し、10年度には100億円に
なると予測する。
同社は「溶融炉などは国内や中国のメーカーから受注し、韓国や台湾からも引き合いがある。今後は
米国でも攻勢を仕掛けていく」と鼻息は荒い。
日本ガイシ(同)が手掛ける大容量の蓄電池「NAS電池」も太陽光発電の分野で需要が見込める有望な
製品。不安定な出力を平準化させられるためで、これまでに国内やドイツの太陽光発電施設に納入している。
▽ソース:中日新聞 (2009/04/10)
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2009041002000151.html ▽株価情報
http://company.nikkei.co.jp/index.aspx?scode=3105