【話題】35歳までに迷いを断ち切れ (AERA 4月13日号)[09/04/06]

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1やるっきゃ騎士φ ★
ソースは
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090406-00000001-aera-soci

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――転職、結婚、出産。
どれも35歳を過ぎると、ハードルが上がる。
ビフォー35歳(B35)は35の壁を前に、
何を優先すればいいか迷う。――

その日は朝から、電話も鳴らなかった。四つの机と接客スペースからなる小さなオフィスは、
いつも以上に静かだった。
「いったん、事務所を閉めようと思うんだ」
司法書士のケンジさん(30)が切り出すと、事務所を共有する会社経営者の友人もうなずいた。
苦しい状況は、お互いにわかっていた。
20代の頃、ケンジさんはとにかく稼げるようになりたかった。大学時代はトラックの運転手や
カード会社のアルバイトをし、月収が50万円近くあった。それをネタに就職活動を行うと、
都市銀行から内定を得た。
任される客や配属される支店を見れば、自分の評価がわかる。上司にも取引先にも可愛がられたが、
入社して2年した頃、迷いが生まれた。このまま会社に与えられたレールの上を歩いていて、
いいのだろうか?
何か新しいことをやりたいと思ったとき、司法書士に興味を抱いた。昔から、思い立つと止められない。
周囲の反対を押し切り、2年2カ月で退職した。
予備校に通い、毎日10時間以上勉強した。馴れ合いになるのが嫌だから、予備校では友達も
作らなかった。一服の時間がもったいないからたばこもやめた。それでも、合格率3%の難関資格は
甘くない。27歳で2度目の試験に落ちたとき、銀行の一般職として働く同じ年の恋人にこう言われた。
「あんたのせいで私の人生めちゃめちゃよ」
結婚を焦る彼女に泣かれ、フラれた。
29歳のとき、4度目の挑戦でついに合格、これですべてがうまくいくと思った。
だが、本当に大変なのはそこからだ。独立して事務所を構えたものの、当てにしていた銀行時代の
人脈からは仕事がもらえない。交通費をかけて会いに行っても、「無料相談」で終わってしまう。

■「もう一度勤めて」と妻
昨年、司法書士として得た収入は300万円。ほとんど経費で消えた。生活のために午後6時に
事務所を閉めた後、夜11時までバイトをする毎日だ。
自分一人なら、軌道に乗るまでふんばり続けられる。だが今年、派遣社員の妻(30)と
結婚したことで迷いが生まれた。
「こんな状況では、子どもも持てない。再就職するなら、今しかない」
銀行を辞めて以来、自分の市場価値を知るために転職サイトに登録していたが、提示される条件は、
どんどん厳しくなる。先日、久々に会社を紹介された。一部上場企業の法務部だった。面接を受けると、
内定が出た。提示された年収は500万円に届かず、銀行に勤め続けている同期には到底及ばない。
だが、妻は言った。
「もう一度勤めて欲しい」
独立はいつでもできる。だが、今就職しなかったら、5年後はないかもしれない。10年経ったら、
もう後戻りはできない。妻と朝の5時まで話し合い、再就職を決めた。

-続きます-