【コラム】伴大作の木漏れ日:会社が無くなる−根底から変化する日本の産業構造(ITmedia)[09/04/03]
◆オーバーカンパニー
日本の産業構造の特徴としてオーバーカンパニーが指摘され続けてきた。確かに、日本の業種ごとの数は
諸外国と比べて明らかに多過ぎる。これは敗者を生まないようにお互いの縄張りを侵さないという暗黙の
了解の上に成り立つ。「弱者の理屈」だともいえる。
また、企業内でも儲かっている部署は収益力の劣る部門で働く人たちを仲間として「相互扶助」という精神で
成り立っていた。産業を監視する立場の官庁も「天下り」という果実を得るため、あえて、競争を促す政策を
取らなかった。
つまり「もたれ合い」が全ての産業で行われていたのだ。今回の金融恐慌は確かにわれわれの生活に大きな
不安を与えたが、もう一方で、永年課題となっていた上記の日本的な伝統的慣行、価値観を払拭する契機を
与えてくれるかもしれない。オーバーカンパニーは解消に向かうのだろうか。
◆平成金融恐慌から産業収縮へ
今回の金融恐慌は震源地、英国や米国の金融機関の業績悪化は当然として、世界中の金融機関を巻き込む
大きな経済問題となった。それは実体経済の裏づけのない、一種の金融ギャンブルが世界規模で行われたこと
を意味している。その元凶を探ると、結局、米国の地価バブルに行き着く。
つまり、日本の不動産バブルと根本的には同じ構図だ。日本の土地バブル崩壊との違いは、土地を担保に
金を借りている人の数が、日本とは桁違いに多いということ。一般の消費者が、自分の不動産を担保とした
カードローンで、さまざまなものを購入してきた仕組みが完全に崩壊したのだ。その結果、極端な信用収縮が
起こり、世界最大の米国消費者市場は崩壊した。
製品の海外輸出、中でも米国市場に売上の多くを依存していた日本の優良企業も大きな影響を被った。
多くの企業は大幅な収益悪化に見舞われ、利益縮小、場合によっては赤字に転落した。
その結果、各企業は自社の事業内容を一から洗いなおさざるを得なくなった。彼らが導き出した結論は「中核
ビジネスへの経営資源集中」だ。まず始めるのは自社内で完結できる組織の見直しだ。見直しの過程の中で、
利益を生まない部門は閉鎖とか、売却の対象となる。日本的な相互扶助は急速に過去の遺物となりつつある。
その最も典型的な例が日立製作所であり、東芝だ。両社とも、日本を代表する総合家電メーカーだが、重電と
家電の両方の市場で大手だ。日立は洗濯機や冷蔵庫のような白物家電では名門の一つであり、東芝はテレビ
事業で世界的に認知された企業でもある。
▽ソース:ITmedia (2009/04/03)
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0904/03/news061.html 記事は
>>2以降に続きます。
>>1の続きです。
◆重電部門だから安心か
ちょっと気になることがある。重電に経営資源を集中するというが、本当にそれでよいのだろうか。そもそも
重電という概念は日本独自のものだ。世界を見回せば、日本のような業態は非常に珍しい。
ライバルと目されているのは、ドイツのSiemens、米国のGE、スウェーデンのABB、フランスのALSTOM
Transportだが、日本のようにモーターから発電機、列車、エレベータ、MRIに代表される医療器械まで、
これだけ多品種のラインアップをそろえている会社はない。どの企業も得意分野を持ち、そこに経営資源を
集中している。その結果、彼らが対象としている市場で世界的に大きなシェアを獲得しているのだ。
それに対し、日本企業は、海外の企業との競争より、日本国内市場での競争を優先し、品ぞろえを中心に
据えてきたため、どのビジネスカテゴリーでも、圧倒的な地位を確保していない。むしろ、圧倒的な地位に立つ
ことを恐れているかのように見えるのはわたしだけだろうか。その点で、東芝が原子力に目をつけたのは
正しいといえる。ライバルは米国のGEとフランスのAREVAしか存在しないからだ。
◆経済鎖国状態の終わり
日立製作所と東芝が業績を回復する原動力として重電に経営資源を集中するということは、それ以外の
事業は中核事業ではなくなるということを意味する。半導体とかコンピューター、家電、自動車機器部門などは
原則として切り出されるか、外部の企業に売却されることを意味する。
考えるだけでも恐ろしい事が起こりかねない。仮に、日本メーカーのコンピュータ部門が1つ売却されると
したら、日本の主要ベンダーの一角が崩れるという話だけでは済まない。買収に手を上げる企業は、IBM
あるいはHPなど世界の大手ベンダーに限られる可能性が高い。その結果、世界のシステム、ビジネス市場の
寡占化は一層進む。
このように、今回の金融恐慌の与えたインパクトにより、中核事業への経営資源集中という名の下、一挙に
国際化が進む可能性が高いのだ。結局、日本市場は今回の金融恐慌をきっかけに、事実上の「鎖国状態」を
脱する可能性がある。
記事は
>>3以降に続きます。
>>2の続きです。
◆さらに広がる影響
また、両社が家電部門を売却するとなれば、現在はパナソニック、ソニー、シャープがシェアを高めている
薄型テレビ市場でも、現在の熾烈で不毛な価格競争が収束に向かい、上位企業の市場支配力が高まる。また、
他の家電製品も概ね同じような傾向を示すだろう。
以上のような話は、電機業界に限ったことではない。今回の金融危機とそれに続いた円高の進行で、自動車
業界も日本国内ではほとんど利益を出すことができず、収益を海外に求め、補ってきた構図が明らかになった。
しかし、その構図も完全に崩壊したといえる。今後は自動車業界もトヨタを筆頭に2〜3社(グループ)に統合
されるに違いない。
それはまるで、大手金融機関が三行に統合されたこと、流通がIYグループとAEONグループへ統合に向かって
いるのと似通って見える。
おそらく、今回の不況からの完全脱出には数年を要することは間違いないだろう。その暁には、現在は2000社
以上ある東証上場企業の数が半分以下に減少する可能性は非常に高い。
◆消え去る日本独自の商習慣
日本への進出に成功した企業がある一方、日本市場は独特という意識を持ち、進出を諦めた世界的な大企業
が数多くある。これは、日本国内の市場が外資から守られていると考えられる一方で、外国から日本への資本
投資が少ないとも言える。
また、仮に日本進出に踏み切ったとしても見合うだけのリターンが得られない場合、進出は失敗だった、その
ような市場に資金を滞留するだけ無駄だと判断されるのは至極当然だ。円高の急速な進行は一つの理由でも
ある。欧米の金融機関は本国の台所事情が厳しくなり、現金が必要になり、日本の不動産やや株を売却、
ディールの元金を調達した円キャリートレード解消(早い話が借金を返した)したのだ。
資本の論理は実に冷酷だ。そこには我々が永年親しんだ「情実」など存在する余地はかけらもない。日本独自
の「ぬるま湯体質」は実は非効率であり、廃すべき悪しき慣習なのだ。その辺をわきまえないと、日本市場が
真に海外の企業や資本にとって魅力的には写らず、結果的に不況が長引いてしまう。
記事は
>>4以降に続きます。
>>3の続きです。
◆真に求められているボーダレス市場への対応
ただし、実際に日本への進出に成功した企業を見る限り、日本以外の拠点と比較しても、それほど大きな
遜色はなさそうだ。つまり日本の市場は独特だというのは一種の「幻想」に過ぎないとわたしは考えている。
ユニクロを運営するファーストリテイリングの成功は、日本独自の「完璧なまでのサービス」が自己満足に陥って
いるという事実を否定しかねない。
日本で生産し、それを輸出することで外貨を獲得し、収益を高め、安定した利益を確保するという構図は今や
過去のものとなってっしまった。
これからは、全世界で幾つかの生産開発拠点を設け、それぞれが担当する市場に最も適した製品を供給
する。それを支えるための強固なブランド力と製品開発力、マーケティング能力が求められているのだ。
その点からも、今回の不況で、あまり業績を悪化させていない、資生堂やキリン、キッコーマンなどは今後も
世界的な成長を期待される存在だ。彼らに共通するのはやはり高いブランド力だ。販売網に関する配慮も他の
日本企業を圧している。生産拠点への配慮も十分出来ている。このような企業は決して、上記 3社のように
日用品の業界に限ったことではない。
どの国であれ、ユーザーが真に求めているモノを合理的で適切な価格、高いブランド力を背景にライバルより
少しでも多く販売できる企業が今後のサバイバル戦争を勝ち抜けるのだ。そのことを経営やマーケティング、
情報を握る人達は、胸に刻み込まなければならない。
−以上です−
この大作め!
6 :
名刺は切らしておりまして:2009/04/06(月) 00:03:29 ID:hYijGMWV
以下、現実を直視できないネトウヨが
日本がいかに優秀か書き込みます。
長すぎる
3行で済ませろ
で、大作は結局、企業が自社事業の再構築することについて、賛成なのか、反対なのか?
国内での生産+輸出、じゃだめなんじゃないかとか言ってるようだけど。
まぁそうなったら、日本の労働現場確保の為には、外資に日本国内用の工場を作ってもらって
工員の雇用の確保をするとか、会社勤めするよりも自給自足農業人口を増やしていくようにするのが
いいとか、いろいろと案はあるはずだろ?
ちなみに、事業の再構築に伴う切り離しとか売却で、買う相手が大企業とは限らんだろう。
日本の中小企業でも優秀なのはいっぱいいるし。
10 :
名刺は切らしておりまして:2009/04/06(月) 00:27:49 ID:Gefxkwwy
何故か洗濯機御大を思い出した
>>7さん、
>>9さん
申し訳ございませんね…
記事を切るに切れなかったのですorz
会社がなくなるって素晴らしいことじゃないか
金がなくて働く必要のあるやつだけ働いて、
金のあるやつは別に働かないのが当たり前、働いたら負けという
価値観の時代がとうとう来るんだなぁ・・・(シミジミ
13 :
名刺は切らしておりまして:2009/04/06(月) 01:02:35 ID:G3aSdJZo
>>1の希望している未来に平平凡凡として
何の取り柄もないようなワタシの座れるイスはあるんでしょうか
まともに生きていける気のしない未来ですなぁ
なんでこんなに伸びないんだぜ?
15 :
名刺は切らしておりまして:2009/04/06(月) 01:21:13 ID:ePf6vzsw
新卒一括採用にいつまで拘るんだ。この単細胞め
>>14 記事が長すぎる、記事の内容が散漫としてる、タイトルが釣りすぎる
17 :
名刺は切らしておりまして:2009/04/06(月) 01:26:29 ID:UKsNzQRc
>>16 なるほど。
しかしタイトルは釣りか?
結構マジで
>>14みたいに考えてたりするんだがww
衣食住が行き届いて
有効求人倍率1倍切ってるのに
働かざる者食うべからずって頭おかしいだろwwww
18 :
17:2009/04/06(月) 01:27:41 ID:UKsNzQRc
長い割りに大したことを書いていないというのも。
20 :
名刺は切らしておりまして:2009/04/06(月) 01:36:43 ID:ePf6vzsw
日本は変わる前に死亡するんじゃないかな(先進国から落ちるという意味)
変わる事が嫌いな国民性だから。ずっと自民一党支配だったな。
防空壕に閉じこもり、アメリカ兵に殺さないから出て来いと
地上から言われたけど、出て行かず殺された日本人を思い出す。
変わる前に終了すると思うよ。
21 :
名刺は切らしておりまして:2009/04/06(月) 01:42:59 ID:sg+AD2R8
鎖国するぞ!
鎖国するぞ!
鎖国するぞ!
鎖国するぞ!
鎖国するぞ!
これ書いてるやつ、あんまり経済詳しくないだろ。少なくとも金融は素人に近い。
物づくりも元々会社なんかいらんだろ。個人単位が自己の探究心を
突き詰めていくことに興味を失ったら終わりだけど、日本人の特性からいけば
絶対に無くならないんじゃないかと思う。そんな中から2人でも3人でも
革新的な奴が出てくれば劇的に変化する。そのかわり大多数の奴は食って
いけなくて消えていく奴もいるだろうけどな。
最近は金なんか少しあればいい奴も多いし、世界に目を向けるのは商人に
まかせて技術屋は屋根裏部屋に閉じこもる必要があって、ある意味また
物づくりの黎明期のような雰囲気が復活してくるんじゃないかなと
淡い期待をもってるんだが。
24 :
名刺は切らしておりまして:2009/04/06(月) 02:27:54 ID:Q7CYDSe9
選択と集中の時代だって事を言いたいんだろうが、これを推し進めると
勝ち組と負け組みができて格差が更に開くだけなんだよ。
出来る奴だけが生き残る、儲かる会社や部門だけが生き残るってやり方を
日本人は望んでないと思うんだがな。
>日本独自の「ぬるま湯体質」は実は非効率であり、廃すべき悪しき慣習
効率的なイギリス型はいま死にそうだけどな
セーフティネットがないのにグローバリズムをいまさら煽り
弱者切捨てをしましょうと言ってるだけだな
29 :
名刺は切らしておりまして:
日本の場合、既得権が守られすぎており、それを是正し競争を
活発化する方向に持っていかなければならない。