景気の悪化や旅行需要の減少を受け、中国航空業界は2008年には280億元(約4000億円)の
損失を被った。政府援助を受けられる国営航空各社とは対照的に、およそ20ある民間の航空各社は
経営の危機に陥った。民間各社は、生き残りのために国営化の道を選ぶか、独立を維持して
イバラの道を進むかの選択を迫られている。
◆相次ぐ傘下入り
民営の鷹聯(ようれん)(ユナイテッドイーグル)航空(四川省成都)は先週、国営の四川航空に
2億元の株式を売却し、支配権を移譲することに同意した。四川航空の鷹聯株保有比率は20%から
76%に上昇した。民間航空会社が国営会社の傘下となるのは初めてだ。
(中略)
一方、国営の航空会社には大規模な資金援助が行われている。中国政府は中国南方航空に30億元、
中国東方航空の親会社に90億元を支援した。中航興業も少なくとも30億元の援助を求めている。
上海航空、海南航空の親会社は、地元政府からの資金援助を得た。
民間各社の不振により、国営会社には別のメリットも出ている。上海航空の周赤理事長は
「われわれのパイロットを引き抜ける民間会社は一つもない」と述べ、スタッフの流出が収まったことを
明かした。
それでも、いくつかの民間航空会社は経営を維持し、中国政府の支配を免れている。
航空機の保有数で民間航空会社最大手の春秋(スプリング)航空(上海)は昨年末、1億元を投じて
30人以上のパイロットを採用した。同社の王正華理事長によると、今年もさらに採用を続ける予定だ。
「国営航空会社への資本注入は確かに業界を大きく揺さぶったが、現時点では、当社の運営について
それほど心配はしていない」と王理事長は述べた。
(中略)
王理事長は「政府からの資金援助をいらないわけではないが、われわれは国営に変わるつもりはない」
と明言する。
奥凱(オーケー)航空(北京)は、経営上の紛争により昨年12月から今年1月まで、1カ月以上に
わたって旅客機の運航を停止する事態となった。同社の王均金会長は、資金の流動性を高めるために、
民間からの投資を求めていると述べた。
◆料金高騰を懸念
奥凱航空は米物流大手フェデックスの貨物機を含めて11機を運航。今年は黒字に転換する可能性がある
と王会長は述べる。関連会社の吉祥航空(上海)はスタッフの増員を行い、現行保有の10機に、
3〜4機のエアバスA320を追加することを計画している。「政府の資金を受け取るか、
独立を維持するか。それはわれわれ次第だ。もしビジネスが順調ならば、国有化されることはない」
と王会長は述べた。
中国の民間航空会社は、路線の新設や低い料金により、その導入期から航空ビジネス市場成長の牽引
(けんいん)役を担ってきた。海通証券のアナリストは「民間各社は何十年も続いた独占的な価格設定を
壊した」と指摘し「もし民間航空会社が崩れれば、国営企業により料金は再び高い水準に戻るだろう」
と指摘した。
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http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200903270024a.nwc 依頼を受けてたてました。