精神障害者の社会復帰を図るさくら市喜連川の精神保健福祉施設「ハートピアきつれ川」のホテル部門が
閉鎖される問題で、運営母体である社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」(全精社協)の
高野修次会長は十八日、同施設で訓練生や家族らに対し経過と今後の道筋を説明し、施設の譲渡先を
探していることを明らかにした。
説明会は訓練生、卒業生とその家族で組織する「ハートピアきつれ川家族会」(百十一人)の会員向けに
急きょ開かれた。複数の関係者によると、高野会長は約六十人の出席者を前に「引き継いでくれる可能性の
ある団体と交渉している。近く先方の理事会が開かれるが、可能性は五分五分」などと話したという。
また高野会長は「経営努力をしてきたが見通しの甘さがあった」と陳謝。訓練生や卒業生からは「何とか
継続してもらいたい」「この先どうなってしまうのか」と不安の声が上がり、中には泣き出す人もいたという。
説明会の後、高野会長は下野新聞社の取材に対し「譲渡はいろいろな可能性の中の一つ。障害者関係の
団体を含めて個別に交渉しているが、相手があることであり、最終的には国が認めないと駄目ですから」と
話した。その上で、施設を譲渡する場合は「保養施設(ホテル部門)と授産施設一体」との認識を示した。
家族会の男性会員は「(全精社協は)運営していく力が足りなかったとしか思えない。責任の所在はどこ
なのか。こういう施設があるからこそ卒業生は社会復帰ができる。本当に譲渡先が決まるのか…」と不安
そうに話した。
▽ソース:下野新聞 (2009/03/19)
http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/sakura/news/20090319/125663